一般社団法人 日本医療情報学会

[3-A-2-01] 社会基盤としての医療情報の役割

*小笠原 克彦1,2 (1. 日本医療情報学会代表理事、2. 北海道大学大学院保健科学研究院)

Medical Information, Social Infrastructure, Healthcare Information Technologist

医療情報と社会情勢は密接に関連している。最近のCOVID-19は、医療に関わる様々な問題点を浮き彫りにし、医療DXが不可欠であることを明らかにした。さらには、2024年から医師の働き方改革が開始されることになり、ICTの積極的な導入が求められている。「医療DX」と「医師の働き方改革」は連動しており、社会基盤として今後ますます医療情報および医療情報学の役割が大きくなるものと考えられる。その中で、医療情報の実務を支える医療情報技師の役割が重要となり、更に活躍の場を広げるためには、今まで以上に臨床とセキュリティ対策に関わることが必要であると考えられる。

医療情報学研究においても、近年の医療情報学関連雑誌のインパクトファクターの値は数年前とは比較にならないほど高い値を有する英文雑誌も出現し、臨床研究の基盤として注目される領域となった。今後ますます医療情報学研究を発展させるためには、若手研究者の育成も不可欠であり、医療情報学教育の重要性を再認識する必要があろう。

本講演では医療情報学研究、医療情報技師、医療情報学教育、医療政策の観点から医療情報および医療情報学の現状について俯瞰し、本学会のテーマでもある「社会基盤としての医療情報の役割」について、その可能性と課題を展望したい。