Japan Association for Medical Informatics

[3-B-2-02] 臨中ネットにおける人材育成について

*Fuyuka Miyahara1, Atsushi Takada1, Masami Mukai2, Katsuya Tanaka2, Takanori Yamashita1, Naoki Mihara2, Naoki Nakashima1 (1. Kyushu University Hospital, 2. National Cancer Center Hospital)

Real-world evidence, Real-world data, Human resource development, Seminar

臨中ネットは、臨床で日常的に蓄積される診療情報をReal World Data(RWD)として活用しReal World Evidence(RWE)の創出を目的とした臨床研究基盤を構築するものである。臨床に還元できるRWE創出のためには、医療情報基盤を整え目的とする二次利用データを適切に得る必要があり、そのプロセスには様々な職種が携わる。
SWG2Aでは、2019年に、このプロセスに携わる人材をIT化人材・標準化人材・品質管理人材(3人材)と定義した。RWDが蓄積される医療情報システムを適切に管理・運用し(IT化)、診療情報を正確に蓄積し(標準化)、適切な研究計画に規定された必要とする項目を構造化されたデータベースから正確に収集し(品質管理・IT化)、収集したデータの加工のプロセスが正確であり(IT化)、複数施設のデータを集約するためコードやデータの表現形式等が標準化された一定のルールに則っている(標準化)ことが重要で、その結果として研究者に高品質なデータを提供することでRWEの創出が期待できる。この3人材が持つべきスキルを8つのスキルセットに整理し、それぞれ0~3のスキルレベルを設定した。
2020年に系統的な人材育成プログラムを構築し、スキルセットとスキルレベルを考慮した外部セミナーの情報提供と各施設の人員配置状況の調査を開始した。2021年度は基礎編セミナー(全10回)を、RWDを利用した臨床研究に携わるための土台となる知識を理解できるレベルを目指し企画・開催した。2022年度は実践編セミナーを、臨中ネットのユースケース等で発生した実際の課題や解決手法を共有し業務プロセスで活用できるレベルを目指し企画・開催中である。今後は、専門的で実践的な知識を深められるよう施設間の人材交流を図り、ユースケースの業務に具体的に携わるOn the Job Training(OJT)の機会を提供する等、人材育成プログラムの拡充を図り、基礎編と実践編セミナーの公開も視野に、本分野の人員の充足とスキルアップを実現しRWE創出のスピードアップにつなげたい。