一般社団法人 日本医療情報学会

[3-B-2-05] 各病院情報システムからの共通データ出力方法の検討と国際化

*青柳 吉博1 (1. 国立がん研究センター東病院 臨床研究支援部門 臨床研究推進部 システム管理室)

Real World Data, OHDSI, OMOP, Internationalization

Real World Evidence創出のための取組み(通称「臨中ネット」)サブワーキンググループ5(以下、SWG5)では各医療機関の病院情報システムから共通データを出力させるための仕組みを構築している。SWG5の主なミッションは共通DBの導入、匿名化の実装方法の検討、国際的な研究への対応に係る調査・検討である。共通DBのデータソースはDWHやSS-MIXを想定し、各機関が共通のクエリを使用してデータ出力することを目指している。現在SWG5ではクエリテスト等のテストを実施しながら共通DBデータテーブル案の詳細を検討している。共通DB仕様が定義されることで、Real World Data研究実施環境の整備が進むと考えられる。
SWG5では国際的な研究に資するための基盤づくりを国際化タスクフォース(以下、国際化TF)で検討している。国際化TFは2021年度から開始され、主にObservational Health Data Science and Informatics(以下OHDSI)を対象として仕様調査や導入方法の検討を行っている。OHDSIは74か国が参加するオープンサイエンスコミュニティであり、データ標準や関連するツール類の開発が行われている。また、国際的な研究ネットワークとして、331のデータソースが利用されている。国際化TFではデータ標準やツール類の知見を深め、臨中ネット共通DBのOHDSIデータ標準への対応を進めることで国際的な研究への参加の足掛かりになれればと考える。
本発表はSWG5の活動概要や国際化TFの目的及び現在の活動状況を説明する。