Japan Association for Medical Informatics

[3-B-3-03] 医療情報技師育成部会の「これまで」と「これから」~試験制度の側面から~

*Kazuyuki Ikeda1 (1. Nara Medical University Hospital)

医療情報技師育成部会では2003年から医療情報技師能力検定試験(以下、技師試験とする)を2007年からは上級医療情報技師能力検定試験(以下、上級試験とする)を実施し、医療情報技師では約25000名の方々を、上級医療情報技師では400名を超える方を認定している。
 技師試験では、医療情報の教科書に基づき、医学・医療、情報処理技術、医療情報システムの3系でマークシート方式の試験を実施し、毎年3000名を超える方々が受検している。この3系の試験をすべて合格した受検者を医療情報技師として認定している。なお科目ごとに判定された合格は、続く2年間は有効としているため、2年あるいは3年かけて医療情報技師に認定されることも可能である。
 一方、上級試験では3系の教科書にとらわれない試験を実施し、当初は一次試験として午前の部(マークシート方式)と午後の部(マークシート方式と記述方式)の試験を実施し、その合格者に対して二次試験として論文試験(論文1・論文2)および面接試験を実施していた。2018年からは上級GIOに基づき試験制度を改定し、一次試験では午前試験(マークシート方式)午後Ⅰ試験(マークシート方式と記述方式)午後Ⅱ試験(論文方式)を実施し、二次試験では面接試験のみを実施している。
 いずれの試験も、医療機関に勤務する方ばかりでなく、医療情報システム開発ベンダに勤務する方や学生まで幅広く受検している。 このように、両試験とも時代や社会の変化に伴い試験内容や制度を変更してきた。医療DXの推進が叫ばれる中、医療現場では情報連携基盤や利活用、セキュリティなど様々な課題に立ち向かう必要がある。これからも社会のニーズに合致した医療情報技師・上級医療情報技師を認定するため、試験制度も柔軟に変化させ社会に貢献していきたい。