一般社団法人 日本医療情報学会

[3-B-3-04] 医療情報技師育成部会の「これまで」と「これから」 ~生涯研修の観点から~

*片山 一重1、相坂 琢磨2、向井 まさみ3 (1. 深谷赤十字病院、2. 東京医科大学病院、3. 国立がん研究センター中央病院)

医療情報技師育成部会では、医療情報技師と上級医療情報技師(以下、医療情報技師)の生涯研修を目的とした、研修セミナーやe-learningコンテンツを提供している。この生涯研修は、医療情報技師の必須研修として資格更新時までに、一度は受講しなければならないものである。
生涯研修セミナーは、「いまさら聞けない」、「部門を知ろう」、「めざせ!上級医療情報技師」といったシリーズや医療情報分野に関連する時事的なテーマを企画・開催している。2019年度以前のセミナーは、会場に集合し受講する形を取っていた。2020年度以降は、新型コロナ感染症の影響によりWeb会議システムを利用したLive配信に移行し、自宅や職場などからの受講を可能にした。その反面、受講者同士が研修内容などについてディスカッションするといった、医療情報技師が大切にしているコミュニケーション機会のひとつが失われてしまった。
e-learningコンテンツは、開催した生涯研修セミナーや独自企画のもので構成している。また、各検定試験の受験を予定しているひとに向けて検定試験の紹介動画を公開している。e-learningは、時間や場所に縛られない受講が可能なことから需要が高まってきており、コンテンツの充実を望む声が多い。しかし、コンテンツの企画から製作には時間を要するため速やかな公開が難しい。これを改善するため、外部団体が提供する教材を利用する取り組みを始めた。
医療情報分野を取り巻く環境は変化と成長を続けていることから、医療情報技術の専門的人材である医療情報技師への期待が高まっていると考える。その期待に沿えるように医療情報技師がスキルUpできる生涯研修セミナーやe-learningコンテンツを企画する必要がある。本ワークショップで参加者との意見交換により、これから10 年の医療情報技師の生涯研修を考えたい。