一般社団法人 日本医療情報学会

[3-B-4-07] 四国医療情報技師会の歩みとこれから

*吉田 誠治1、大村 和弘1、奥田 興司1、小谷 裕輔1、木谷 豪希1、北村 和之1、佐々木 宗明1、田木 真和1、中野 まどか1、並川 正和1、乗松 篤1、藤原 邦彦1、渡辺 崇史1 (1. 四国医療情報技師会)

コロナ禍以前、四国の医療情報技術者は地理的な問題により自己研鑽、交流の機会を得るための経済的・時間的コストにおいて、都市部との格差が生じていた。また、医療情報技師資格取得後の維持が困難である事実も、受験や資格更新のモチベーションに影響を与えるものと考えられていた。

 2017年頃より四国各県の医療情報技術者有志により、四国の医療情報技術者が地理的なハンディキャップによらず、医療情報業務に携わる者として医療の特質をふまえ、最適な情報処理技術にもとづき、医療情報を安全かつ有効に活用・提供することができる知識、技術および資質の向上を図る。また、会員間の交流を高め、互助の関係性を図ることを目的に設立を検討されたのが本会である。第1回設立総会は2018年2月に高知県で開催した。以降、各県の世話人による持ち回りで年2回、勉強会ならびに情報交換会を運営している。

 四国は中央に山岳地帯があるため各県の時間的距離は大きく、集合形式のみだと参加障壁は四国内開催においても残課題であった。このため、本会では将来的にサテライト会場をつなぐオンライン開催を目標としていた。オンラインでの開催は図らずもコロナ禍の中、設立2年半後の2020年10月の勉強会で実現することになった。全国的にもオンライン勉強会が普及したため、地理上の格差の問題は解消されたと言える。一方、顔の見える会員の関係性は、オンライン勉強会の普及とともに希薄になった。

  全国に先駆け、少子高齢化や人口減少の波が押し寄せている四国において、医療情報技術者の交流低下は、後進の育成や世代交代の課題のみならず、医療デジタル社会の地域格差を生む課題にもつながる。これら課題解決のために、デジタルネイティブ世代を巻き込んだ運営の在り方や、交流方法そのものを見直す機会にきているのではないかと考えられる。