一般社団法人 日本医療情報学会

[3-B-4-08] DX時代の医療情報技師

*川田 康友1、服部 正樹2、山澤 順一3,4 (1. 株式会社ジインズ、2. 一般財団法人 潤和リハビリテーション振興財団 潤和会記念病院、3. 熊本大学大学院 医療情報医学講座、4. 国保水俣市立総合医療センター)

医療情報技師資格が始まってからの20年の間に、情報通信やデバイスの面で世の中は大きく変化した。情報サービスも多様化し、これまでテレビや新聞などの既存メディアから一方的に情報を受け取ることの多かった時代から配信の時代へ、サービスの利用も買い切りからサブスクへ、労働形態もプロパーの正規雇用・内製から委託・委任へと変化する中、業務の目的・目標は変化しないのにその手段や環境は目まぐるしく変革・進化し、法制度や各種ガイドライン・倫理指針も時代に合わせて内容が厳密化されてきた。ところが、2019年末から2020年初頭にかけて発生したCOVID-19の世界的パンデミックは、あらゆる国の政治・経済やビジネス・生活のスタイルをそれまでから考えると10年はかかってきた変化をたった1年で急激に一変させた。このドラスティックな世界の変化は、皮肉にもそれ以前の2018年から経済産業省が再定義として提唱するも遅々として進んでいなかったDXを否応なく強制的に推し進める結果となったことは記憶に新しい。しかし、そのDXの中心となるICT技術はパンデミック後になって急に進化したものではなく、DX導入の鍵となる業務運用の見直し・最適化の必然性も以前から言われてきていたものである。同時に、我々医療情報技師・上級医療情報技師の医療情報におけるミッション・ビジョン・バリュー、それを実現するための一般目標及び行動目標群(GIO ・SBOs)も本質的にはパンデミック前とは何ら変化していない。 では、それでは我々の活動はこれまで何を前提の上で何を目的とし何をなしてきたのか(AsIs)、また今後どうあるべきであるのか(ToBe)、ということについて、ガイドラインの変遷と九州沖縄医療情報技師会における活動報告を織り交ぜながら、これらの疑問に対するアプローチの一つとなるべく、当技師会より提言を行う。