Japan Association for Medical Informatics

[3-C-1] Issues in the Wireless Communications Use at the Clinical Field - Learning from Case Studies in Manufacturing Field-

*Eisuke Hanada1 (1. Saga University)

Wireless communication, Electromagnetic Compatibility, Electromagnetic noise

近年、医療現場における無線の利活用における問題点が顕在化されつつある。その要因の一つは、閉じた空間における同一周波数帯を利用した異なる無線システムの共存にある。これは、無線LANにおける同一チャンネルの複数SSIDによる利用に留まらない。例えば2.4GHz帯においては、無線LANのみならず、Bluetooth、ZigBee等が用いる通信目的の電波に加え、電子レンジやマイクロ波治療器などが用いる電磁波も発せられている。これらは相互に干渉し、特に通信における障害を引き起こす要因となる。また、医用テレメータが用いる周波数帯の1つである429MHz帯は、医用テレメータ向け以外にテレコントロール向けにも割当てがなされており、通信への干渉を避けるべく、医用テレメータで429MHz帯(「バンド3」)の使用を避ける事態を招いている。 これらと同様に、製造現場においても、閉じた空間における異種無線の共存による問題が顕在化している。本セッションは、ローカル5Gなど最新の無線通信技術を含む様々な無線通信方式を閉じた空間で同時利用する時の振る舞いや課題について、製造現場での事例を紹介し、医療現場における無線通信の利活用において課題になり得る点について議論することを目的とする。具体的には、製造現場における無線通信の利活用と運用の安定化、製造現場での電磁波計測の手法と通信トラブル事例、ローカル5Gにおける性能チューニングについて、それぞれ紹介する。また後半では、提供された話題を基に、医療現場で課題になり得る点や考えられる解決策などを議論する。