一般社団法人 日本医療情報学会

[3-D-1] オンライン診療で実現する次世代型医療
- オンライン診療の価値と可能性-

*松本 武浩1,2、武藤 真祐3、吉嶺 裕之4、古川 奈津子5、大橋 博樹6 (1. 長崎大学病院 医療情報部、2. NPO法人あじさいネット 拡充プロジェクト室、3. 医療法人鉄祐会、4. 社会医療法人春回会 井上病院 睡眠センター、5. 社会医療法人春回会 井上病院 栄養科、6. 多摩ファミリークリニック)

telemedicine, PHR, teleconsultation

オンライン診療は、全世界にCOVID-19パンデミックの中で、感染予防との両立が可能な唯一の診療として、世界中に普及したが、わが国では、いまだ十分に普及していない。その最大原因は、極めて低い診療報酬とされ、2022年診療報酬改定にて対面診療並に評価されたが、いまだ普及したとは言えず、第7波においてもなお、地域医療の混乱と破綻をきたした。一方、わが国でのオンライン診療は、対面診療の補助として位置付ける考え方が強い。これは、今後の地域医療に向け適切なのだろうか? わが国の金看板である国民皆保険とフリーアクセスは、国民が誰でも必要時、平等に医療を享受できる優れた制度であるが、在宅医療を除き、患者が医療機関に到着しなければ医療を受けることができない。高齢者や足腰が弱く移動が容易でない患者、あるいは離島・へき地在住者は、これを享受できているだろうか。また、多忙で受診時間確保が難しい若い世代等はどうだろうか?前者は移動、後者は時間の問題で、容易に受診できない患者がいるはずである。オンライン診療はこの問題を解決し得る。また、わが国のオンライン診療の経験値は、いまだ乏しいため、オンライン診療の真の価値や可能性について、十分に議論、理解されていない。本セッションでは、パンデミック以前よりオンライン診療の価値を認識し、積極的に活用されている演者に登壇いただき、オンライン診療の真の価値とその可能性や発展性を示すことで、早期に全国各地での普及を図り、入院、外来、在宅に次ぐ第四の診療スタイルとしての確立を目指し、受診困難な患者に受診機会を提供することで、次世代型医療のあるべき姿を提言したいと考えている。