Japan Association for Medical Informatics

[3-D-1-01] オンライン診療システムを活用した睡眠呼吸障害診療

*Hiroyuki Yoshimine1 (1. Inoue Hopsital)

医療の分野においてもデジタルトランスフォーメーション(DX)が求められている。医療の質の向上、働き手の減少や働き方改革に対する生産性向上、コロナ禍の非接触式診療スタイルのニーズ増加、専門医へのアクセス向上などを理由として、従来の対面での医療行為からオンラインでの医療行為へのシフトが進む部分も増えていくものと思われる。
 令和4年の診療報酬改定においてオンライン診療の対象疾患の拡大、増点、制限事項の撤廃がなされた。また日本医学界連合より「オンライン診療による継続診療可能な疾患/病態」が発行されたが、その疾患の一つに病状が安定している「睡眠時無呼吸症候群」が入っており、今後オンライン診療システムを活用した睡眠呼吸障害(SDB)診療への取り組みが増えていくものと予測される。
 SDB診療においてはすでに以前からCPAP遠隔モニタリングが臨床現場で活用されてきた。CPAP導入初期には、このモニタリングデータを確認する事でトラブルシューティングが可能となる。CPAPの使用状況が安定した再診患者に対しては、オンライン診療を行うことで、医療機関側・患者側双方の負担軽減が得られる可能性がある。SDBに合併が多い高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病においても、医療者側が患者の体重や血圧などのバイタルに加え食事や運動などの情報を閲覧できれば、医師のみならず看護師や管理栄養士なども加わった多職種による指導介入も可能となる。
 医療機器のデジタル化により様々な装置の連携が可能となる。CPAP管理プログラムとオンライン診療システムの連携、さらに電子カルテとの連携が進むことにより、診療のパラダイムシフトが起こると予想している。