Japan Association for Medical Informatics

[3-D-1-02] オンライン診療システムを活用した栄養指導の現状

*Natsuko Furukawa1, Kumiko Hirakawa1, Noriko Hayashida1, Mina Nishimoto1, Emiru Ikeda1, Hiroyuki Yoshimine2 (1. Inoue Hospital Registered Dietitian, 2. Inoue Hospital Respiratory Physician)

令和2年の診療報酬改定では、外来栄養指導料が見直され、2回目以降の栄養指導に「情報通信機器を使用する場合 180点」が新設され、令和4年の改定では、「情報通信機器を使用した場合 初回235点」の算定が可能となった。 当院では令和3年よりオンライン診療システムを活用した栄養指導を取り入れている。 患者が日々入力した体重、血圧、食事記録、歩数等を、管理栄養士がモニタリングとアセスメントし、対面またはオンラインでの栄養指導を行っている。 従来の聞き取りでは見えてこない、食事の全体量やバランス、時間帯、運動・血圧・体重の関連性等が可視化されることで、問題点が明確に把握出来るようになった。 また、メール機能を用い、定期的にメールを送信することで受診間隔が長い患者でも、関係性を維持することが出来ている。 オンライン栄養指導を行った約30名の患者において体重変動率は開始後3ヶ月で約-3%であった。平均3ヵ月間の体重変動を写真撮影が50%以下のpoor群と50%を越えるgood群に分けてその変動を評価したところ、good群ではpoor群と比較すると体重減少が有意に大きく(P < 0.001)、経過とともに体重は有意に減少していた(P < 0.001)。多重比較(Tukey法)では1ヵ月目と比較すると3ヵ月目は有意に体重が減少していた(P < 0.001)という結果だった。体重減少率についても同様の結果が得られている。 「写真を撮る」⇒「入力する」⇒「定期的にメールがくる」⇒「やる気が出る」の連鎖が、食事療法への意識の高まり、行動変容、取り組みの継続に繋がっていると考える。