Japan Association for Medical Informatics

[3-D-1-03] かかりつけ医によるオンライン診療 〜これからの展望も見据えて〜

*Hiroki Ohashi1 (1. Tama Family Clinic)

それまでのオンライン診療は、限定した疾患や病態に対して、限定した条件を満たした場合にのみ行うことが許されるものであり、一般診療において広く普及するというビジョンを描けるものではなかった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年4月10日「新型コロナウイルス感染症に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取り扱いについて」に関する通知が厚労省より発出され、時限的ではあるものの、電話やオンライン診療が、初診も含めて大幅に条件緩和された。これに伴い、コロナ後のオンライン診療の在り方についても議論の機運が高まり、厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」においても、新たな指針の作成に向けて活発な議論が行われた。オンライン診療は、かかりつけの医師が対面診療と適切に組み合わせることにより、信頼性や安全性を担保した有用な診療行為となり得るのは間違いない。一方で、初診患者に対するオンライン診療の是非については、多くの議論があり、日本医学会連合からも「オンライン診療の初診に関する提言」や「オンライン診療による継続診療可能な疾患/病態」が発出されている。オンライン診療は、従来の外来診療、入院診療、在宅診療に新たに加わる「第4の診療形態」であり、広く普及するためにも、安全性と信頼性に十分配慮した指針に基づいて行われることが重要である。