一般社団法人 日本医療情報学会

[3-D-3] 薬剤関連情報分野におけるDX推進 ~社会基盤としてのICT化された医薬品情報を考える~

神崎 浩孝2、小林 道也3、荒川 隆之4、上田 彩5、佐古 卓人6、*若林 進1 (1. 杏林大学医学部付属病院 薬剤部、2. 岡山大学病院 薬剤部、3. 北海道医療大学 薬学部、4. 長久堂野村病院 診療支援部薬剤部門、5. 日本調剤株式会社 FINDAT事業部、6. H&HCONNECT株式会社)

information and communication technology, digital transformation, drug information

デジタル技術が急速に発達し、薬剤に関連した業務の置換を促すオートメーションディバイスやアプリケーションが次々と開発され、ハードとソフトの両面において、デジタル技術の実装が進んでいる。
 薬剤関連情報の収集・管理・提供は薬剤師の中心的な業務の一つであり、薬剤を適正使用するために欠くことのできない医療情報であるが、薬剤関連情報の取扱いに関しても、2021年8月から医療用医薬品の添付文書の電子化が始まるなど、確実に情報通信技術(ICT)を用いた情報管理が進んでいる。
 このICTを用いた情報管理及び情報共有が加速した背景には、クラウドの利用などインターネットを介した情報の管理や、インターネットを介して利用できるアプリケーションの認知と普及がある。情報収集や共有には良いアプリケーションが開発され、安価に使えるようになってきている。
 一方で、情報管理のデジタル化の浸透度に関しては、医療機関の間での格差が著しくなっているように見受けられる。その主な理由として、基盤としてのデジタルインフラの整備状況と、ICT技術に対する受入れの柔軟性の差が挙げられる。
 昨今、クラウドサービスのセキュリティ環境やデジタルインフラの整備の手軽さが向上し、デジタルツールやサービスも入手し易い社会基盤が整いつつあるように感じられる。
 本ワークショップでは、様々なデジタルツールやアプリケーションを活用した薬剤関連情報の収集・管理・提供のDX化に取り組んでいる施設及び開発者から、その取組の実態と最新の知見、及び展望を共有したいただくことで、今後、情報管理及び共有のデシタル化推進を検討している施設や地域のDX加速の一助となるワークショップにできればと考える。