Japan Association for Medical Informatics

[3-D-3-01] Considering ICT-Based Drug Information as a Social Infrastructure

*Susumu Wakabayashi1, Kozue Nakayama1 (1. Department of Pharmacy, Kyorin University Hospital)

2019年12月の薬機法の改正に伴い、2021年8月から医療用医薬品の添付文書は、電子化されたものの閲覧が基本となった。経過措置は2年間で、2023年7月末で製品への紙媒体の添付文書の同梱は終了となる。その対応として外箱や医薬品本体に表示されたGS1バーコード(以下、GS1)をスマートフォン(以下、スマホ)アプリの「添文ナビ」で読み取ることにより、添付文書を表示させることができるようになった。また、その添付文書画面には「関連文書」ボタンが表示され、PMDAホームページ内の添付文書関連情報として、患者向医薬品ガイド、医薬品インタビューフォーム、RMP、RMP資材(医療従事者向け、患者向け)、審査報告書、最適使用推進ガイドライン、等の医薬品情報へリンクされている。「添文ナビ」の登場により、この1年で医薬品情報のICT化、つまりDICT(Drug Information and Communication Technology)が一気に進んだ感がある。
他にも、臨床現場ではスマホに対応した様々なDI関連アプリが繁用されている。また、スマホのブラウザ機能を使って薬剤関連情報を入手することもあり、PCをすぐ使うことができない環境での検索に活用されている。施設内でスマホを扱うためのリテラシーには気を付けなければならないが、医薬品情報管理業務にスマートフォンが進出しているのは事実である。
しかし現状のICT化にはまだまだ多くの問題が存在する。例えばPMDAホームページで提供される医薬品情報のうち、添付文書はXML化されてきているが、その他の多くのファイル形式がPDFである。データベース化されていない医薬品情報をどうしていくかも課題である。
社会基盤としての医薬品情報のICT化は進んできているが、今後、医薬品情報分野におけるDX推進のためにはPDF化された医薬品情報の取扱いが問題となってくるだろう。