[3-D-3-02] 中小病院勤務薬剤師が考える医薬品情報管理業務におけるDX推進
長久堂野村病院(以下、当院)は、1981年に開設した79床の中小病院であり、現在は内科・外科・整形外科・麻酔科の多科診療を行える病院となり、医療のみでなく、介護、福祉にも力を入れ、地域医療の一端を担っている。 中小病院は薬剤師数が十分でない事が多く、マンパワーも不足しがちである。このため中小病院では、1人の薬剤師が複数の業務を兼務している事も多い。このような中、デジタルツールを駆使し、医薬品情報管理業務を行うことは業務の効率化や薬剤師の負担軽減においても非常に有効と考えられる。 演者は前職である180床の中小病院においても医薬品情報管理業務を担当していたが、市販データベースソフトを用い、院内に医薬品情報のデータベース(質疑応答集)を作成、運用を行ってきた。この取り組みは現職場においても作成、引き続き運用している。 また、入院患者に関して調査した内容は、退院後、外来患者においても引き続き必要となる事もあるため、調査した情報の保険薬局との共有を目的として、異なる多施設の薬剤師間において、医薬品情報を共有するクラウドシステム(薬剤師ノート)を構築し、運用を行ってきた。近年、薬剤師ノートと同様のクラウド型医薬品情報管理共有システムであるAI-PHARMA(アイ・ファルマ)(木村情報技術)が医療者向けに無料で公開されたことで、AI-PHARMAを導入し、利用を開始している。最近は、医薬品の回収情報、出荷制限など、対応する薬剤師が迅速に行動する必要のある情報が非常に多く、幅広く情報を収集することも必要となってきている。 ワークショップでは、医薬品情報の収集・管理・共有における取り組みについて紹介するとともに、DX推進について議論する機会としたい。