Japan Association for Medical Informatics

[3-D-3-03] 医療従事者のための医薬品情報WEBプラットフォームについて

*Aya Ueda1 (1. NIHON CHOUZAI CO.,LTD. FINDAT Operations Department)

令和4年度診療報酬改定の基本方針において、国民にとって安心・安全で質の高い医療の実現に向け、医療従事者が各々の高い専門性を十分に発揮するための勤務環境の改善、タスク・シェアリング/タスク・シフティング、チーム医療の推進、業務の効率化に資するICT利活用の推進、デジタル化への対応を重点課題としている。
病院においては、薬剤師による病棟業務の評価は高く、病棟薬剤業務実施加算の届出数は増加傾向にあるものの、その数は病院全体の約2割に留まっている。届出をしていない病院の理由として、薬剤師の人数不足、調剤業務に次いで、「医薬品情報管理業務」の負担が挙げられている。
薬局においては、「患者のための薬局ビジョン」の具現化に向けた認定薬局制度において、薬局機能が明文化される中、質の高い薬学的管理の充実化を図り、地域の医薬品情報室の役割を担うことが認定要件に盛り込まれた。
薬学部教育においては、2024年度入学から新しいモデルコア・カリキュラムを実施する時期を控え、医・歯・看護学部とのカリキュラムを共通化し「未来の社会や地域を見据え多様な場や人をつなぎ活躍できる医療人の養成」を目指す。ビッグデータやAIを含めた医療分野で扱う情報は質も量も拡大・拡張しており、これらを適切に活用した社会への貢献が求められる。
このような医療の高度化や環境変化の背景があるが、国内における日本語による日本の医療に即した医薬品情報データベースは限定的である。弊社では、医療従事者のためのエビデンスに基づいた意思決定に必要な医薬品情報源「FINDAT(ファインダット)」を開発した。原著論文やガイドラインなど国内外のさまざまなデータソースから網羅的に収集した医薬品情報を、医療現場で活用しやすい形に加工し、オンラインで提供している。コンテンツ作成には、国内の専門家によるピアレビューが実施されている。
本ワークショップでは、参加者にFINDATを自ら操作頂き、医薬品情報収集・評価を体験して頂く。