一般社団法人 日本医療情報学会

[3-D-3-04] 薬剤師の医薬品に関する情報及び知識のデータベース化と共有~医薬品情報管理プラットフォームAI-PHARMA(アイ・ファルマ)の活用~

*神崎 浩孝1、木村 隆夫2、西原 茂樹3、槇田 崇志3、田中 雄太3、座間味 義人3 (1. 岡山大学病院 薬剤部 人工知能応用メディカルイノベーション創造部門、2. 木村情報技術(株)、3. 岡山大学病院 薬剤部)

デジタル技術が急速に発達し、浸透してきている昨今、薬剤師業務においても業務置換を促すオートメーションディバイスやアプリケーションが次々と開発され、ハードとソフトの両面において、デジタル技術の実装が進んでいる。情報面では、添付文書の電子化や、製薬企業から提供される情報の充実に代表されるように、紙を介した情報共有から、インターネットやアプリケーションを介した情報共有へと移行してきている。オンラベルの情報はインターネットを介して入手するのが一般的である一方で、オフラベルの情報や、経験やナレッジに関しては、情報のデジタル管理がされていない場合も多く、またされていたとしても、クラウドデータ管理がされていないことから、インターネットを介した情報の動的管理及び共有が困難な場合が多い。つまり、経験やナレッジに関しては、入手できる情報に乏しいのが現状である。また、地域連携や多職種連携といった「連携」が業界の関心事であるものの、施設間での「情報共有」を課題となっている場合も多い。
 岡山大学病院では2017年より木村情報技術株式会社との共同研究。開発によって、医薬品情報、特に薬に関連した経験やナレッジを収集、管理、共有するためのクラウド型医薬品情報管理システムとして「AI-PHARMA(アイ・ファルマ)」を開発し、2020年より全国の医療機関に無償提供を行っている。AI-PHARMAは、情報の管理ができるだけでなく、データ管理及び共有をクローズドなコミュニティで行うことができる、つまり組織内のインハウス情報管理をしながら、共有したい情報のみ共有できるといった特徴がある。また、情報共有においては、SNSや電子メールで課題となっていた、データ抽出や閲覧記録の管理も可能となっている。AI-PHARMAは300以上の病院、薬局に導入が進んでいる。本ワークショップでは、AI-PHARMAを用いた医薬品情報管理と共有の実践について紹介する。