[3-D-3-05] クラウドシステムを用いた医薬品情報管理とデータ再利用性の向上を目的としたアノテーション基盤の開発
ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)の発展及び通信速度の向上によって、医療情報分野においてもデジタル化が加速している。インターネットを介して入手できる情報は膨大であり、医薬品に関する情報においても膨大かつ素早く情報を入手できるようになってきている。また、情報共有においても、電子メール、SNSなどインターネットを介した双方向性の情報のやり取りは一般化し、深く浸透している。一方で、これら膨大な情報のデータとしての管理とデータ再利用性に関しては、今後対応していかなければならない課題である。電子メールやSNSを用いた情報共有を例に挙げると、やり取りをされる頻度は高く、情報は膨大であり、その中に重要な情報が含まれる場合も多いだろうが、その情報をテキストデータとして抽出して、すぐに分析できる状態で管理できているかというと決してそうではないであろう。つまり、通信技術が高まり、浸透してきている次の課題として情報をデータとして管理することと、データ再利用性の向上が挙げられ、これらを高めることで、情報の価値が高まると考えられる。さらには、データ再利用性を高めることで、医療者が医薬品に関する情報を入手しやすい環境を整えることによって、医薬品の適正使用が促されるものと期待できる。 我々は医薬品に関する情報に着目し、医薬品および医療用語に関するマスターと辞書を組合わせることで、独自の自動アノテーション基盤を構築することを試みた。この自動アノテーション基盤を用いることによって、医薬品に関する情報の検索性の向上が期待でき、医療現場において蓄積された情報を必要な時に素早く引き出すことが可能になると考えられる。またそのための情報管理が自動化できるという管理上の効果も期待できる。本ワークショップでは、医薬品および医療用語に関する自動アノテーション基盤について概説する。