[3-E-1-01] HL7 FHIR / Webアークテクチャ / 医療サイバーセキュリティ / 稼働継続性を重視したVirtual Fault Tolerance (VFT)コンセプトに基づく病院情報システムの設計と実装
EMR, HL7 FHIR, Cyber Security, CDM, SLA
本院では2015年のシステム更新から7年が経過した。このため、現在並びに将来において病院に求められる機能・性能を重視し、Virtual Fault Tolerance (VFT)コンセプトと名付ける病院情報システムを設計し実装した。HELICS標準に採用されたHL7 FHIR / Webアーキテクチャへの対応としては、オーダリングシステムから直接Observation / Medication系Resourcesを中心にFHIR変換するインターフェースを実装した。スクリプトを多用しシステム負荷の高いWebアーキテクチャでもレスポンスを確保し、また今後の診療ではトランザクション機能とデータベース機能の両方が活用されることに鑑み、これらを同一のハードウェアで提供するため、全Intel Optane化した電子カルテストレージを選定した。サーバ-ネットワーク-端末を通じたカルテ操作のスループット測定により、全SSD化した現行システムと比較して最大13倍のレスポンス向上が達成された。サイバーセキュリティに関しては、Continuous Diagnostics and Mitigation (CDM)の5機能分類に基づき、ランサムウェア対策ストレージ、エッジ検疫、振る舞い検知、可視化、認証管理、ネットワーク仮想化セキュリティ等を具備した。仮想化された部門システムにおいては、病院検査や部門システムのBCP重要性を考慮したService Level Agreement (SLA)レベルを設定して実装することにより、継続性とコストの両立に配慮した。本設計と実装は高度急性期病院において病院情報システムが備えるべき共通した機能要件であり、VFTコンセプトによるシステムハードウェアのパッケージ化により、多くの病院施設における総合的な稼働継続性の向上に貢献することが期待される。