Japan Association for Medical Informatics

[3-E-1-02] 看護情報提供書の電子的な相互運用に向けたHL7 FHIRリソースに関する検討

*Miwa Aoki1, Shinichiroh Yokota2, Shunsuke Doi2, Kazuhiko Ohe1,2 (1. 東京大学大学院 医学系研究科 医療情報学分野, 2. 東京大学医学部附属病院 企画情報運営部)

HL7 FHIR, Nursing referral , Interoperability

背景:在院日数が短縮され、継続看護の必要性が高まっている。継続看護を行う上で患者の情報共有が肝要である。近年、次世代医療情報標準規格としてHL7 FHIRが注目され、診療情報提供書をはじめ4種類のHL7 FHIR記述仕様が厚生労働省標準規格となった。しかし、看護に関わる情報のFHIRリソースの記述仕様は未だ存在しない。 目的:診療報酬改定に係る看護情報提供書の様式50「看護及び栄養管理等に関する情報」 をHL7 FHIRリソースとして格納するため、項目に該当するリソースを分類し、種類を確認することを目的とした。 方法:様式50の各項目に対して、HL7 FHIR(4.0.1)のリソースを手作業で分類した。ユースケースとして、記載日が2018年2月1日~2月20日である東京大学医学部附属病院(当院)の電子カルテの看護情報提供書を対象とし抽出した。さらに、叙述記録が含まれるケア情報の文字数が多い順に5件取得し、1項目ずつFHIRリソースを目視で分類した。 結果:様式50は20種類のリソースで構築されていた。様式50の示す「継続する看護上の問題等」「ケア時の具体的な方法や留意点」は4タイプ(Observation, ServiceRequest, Procedure, Condition)であった。ユースケースは、27診療科から得られた131件のうち5件を分析した。最多はObservationリソースであり、これには患者ADL、退院時状態が含まれた。 考察:ケア情報に関わる叙述記録は4つのリソースに分類できた。リソースが適切に分類できれば、既存システムに外部分類器を組み込むことで叙述記録をFHIRリソース化し相互運用できる可能性がある。今後、本研究のFHIRリソースマッピングを基にアノテーション基準を構築し、看護情報提供書の叙述記録の自動分類を試みる。