Japan Association for Medical Informatics

[3-E-1-04] HL7 FHIRによる情報連携の実用化に向けた現状調査

*Ikuo Tamai1, Yusuke Okuma1, Tomohisa Sudo1, Shunsuke Doi2, Jun Okamoto3, Kazuhiko Ohe3, Katsuya Tanaka1, Maaya Tanabe1, Tatoku Ogaito1, Shinji Kohsaka1, Takashi Kohno1, Hirokazu Fukuda1, Yuichi Shiraishi1, Mamoru Kato1, Taro Shibata1, Yoshinori Yamashita4, Tatsuya Suzuki1 (1. 国立がん研究センター, 2. 東京大学医学部附属病院, 3. 東京大学大学院医学系研究科, 4. 福井大学医学部附属病院)

Comprehensive Genomic Profiling, Survey on the Current Situation, Clinical Data, HL7 FHIR

【背景】2019年6月、がん遺伝子パネル検査が保険収載された。検査を行う病院は、得られたゲノム情報と臨床情報を国立がん研究センターがんゲノム情報管理センター(以下C-CAT)に登録する必要があり、2022年6月現在、全国233箇所のがんゲノム医療中核拠点病院等から情報が登録されている。臨床情報の登録には、C-CATが提供するEDCシステムもしくは各病院が電子カルテシステム等に導入したテンプレートのいずれかを用いるが、いずれのシステムでも現場での入力負荷が課題となっている。今回C-CATへの情報入力の現状を把握するため、病院及び電子カルテ等ベンダーに対する調査を実施した。 【方法】病院に対しては、臨床情報入力における運用実態やC-CAT用テンプレートの導入状況等についてアンケートを実施した。また、電子カルテ等ベンダーに対しては、保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)の協力を得て、項目ごとの入力形式やデータ格納方式等に関するアンケートを実施した。 【結果】病院向けアンケートでは、対象230施設中187施設(81.3%)から回答を得た。C-CAT用テンプレートを導入している施設は25施設(13.3%)であった。入力者は、病院の類型によって異なり、回答のあった中核拠点病院11施設中8施設(72%)が医師の入力者数「多数」と回答していた。また、電子カルテ等ベンダー向けアンケートでは4社中4社から回答を得た。自動入力が実装できているものは4社全体で項目分類58分類中17分類であった。 【考察】電子カルテ等から臨床情報抽出に必要な標準化を進めることが重要であり、まずはC-CAT収集項目のHL7 FHIRリソースの定義が必要と考えた。しかし、現在の電子カルテ等の実装では様々な面で標準化がなされておらず、手入力は避けられないことが想定される。継続して入力負荷軽減に向けた検討が必要である。