Japan Association for Medical Informatics

[3-E-2] Lifestyle Modification and Chronic Kidney Disease: Prospects for Digital Health Apps for Social Implementation

*Haku Ishida1, Hirokazu Okada2 (1. Department of Medical Informatics & Decision Sciences, Yamaguchi University School of Medicine, 2. Department of Nephrology, Saitama Medical University)

chronic kidney disease (CKD), digital therapeutics, mobile health application

慢性腎臓病(CKD)は、その進展により透析に至る病態であり、その一次、二次予防は重要なテーマである。すなわち、CKDに対しては効果的な薬物療法は未だ十分ではなく、患者自身による日常の食事・運動療法などの非薬物療法が基盤となる治療として重要とされる。しかし、患者が自主的に普段の生活習慣の改善に取り組み、長期にわたり継続していくのは容易ではない。
その中で、昨今の様々な高機能デジタルデバイスとクラウドサービスなどの普及に伴い、日常生活における行動変容とその継続を強力に支援するデジタルヘルスアプリが登場し、情報療法として期待されている。その基盤となるPHRは、有効性のエビデンスを基に医療保険の中で処方され医療者のオンライン指導がなされる治療アプリ、非患者を主体に健康志向に基づいた一次予防を目的に用いられる健康アプリに分けられるが、いずれも対象者の行動変容の継続を支えるため、各々の目的に沿ったIOT機器や介入のあり方など、ビジネスモデルを含む開発、導入に異なるアプローチが取られる。
本セッションではCKDと密接に関連する高血圧や糖尿病、脂質異常症などの疾患と共通した生活習慣上の行動変容をはかることの効果を踏まえ、食事、運動、薬物療法への支援ツールとなる治療アプリ、健康アプリの活用を主題として、各アプリの目的と目標、介入の内容、効果などについて解説し、また、医療行政の立場からこれらの情報アプリへの今後の期待と我が国のめざす方向性について紹介いただく。
これらを通して、マイナポータルの活用等により自らの保健医療情報をPHRとして活用するデータヘルス改革が進められている中でのCKDにおけるデジタルヘルスアプリの社会実装を着実に進めるための今後の方向性、および、基本項目セットを核とし、IOT機器情報など含めたPHRデータの標準化・相互運用性といった共通の枠組みで進めるための課題などを論じる。