Japan Association for Medical Informatics

[3-E-2-05] 経済産業省におけるヘルスケアICT関連施策

*Yasuo Iimura1 (1. Healthcare Industries Division, Commerce and Service Industry Policy Group, Ministry of Economy, Trade and Industry )

新型コロナウイルス感染症の流行や超高齢化社会の進展等により、社会構造が大きく変革する中で、ICTの活用は、健康寿命延伸や公的医療保険制度の持続性確保といった課題の解決に不可欠である。そうした中、ICTを活用した新たなヘルスケア商品・サービスが生まれているが、質の高い商品・サービスが市場に供給され、市民に活用されるべく、健全な産業の振興を図る必要がある。
経済産業省では、日本医療研究開発機構(AMED)事業として、厚生労働省と連携して、2020年度から予防・健康づくりの健康増進効果等のエビデンスを確認・蓄積するための実証事業を行っている。
さらに、ヘルスケアサービスの社会実装に繋がるエビデンスを構築し、併せて、構築されたエビデンスを精査し、社会実装に必要な論点や評価指標等を整理し、適切かつ効果的にヘルスケアサービスが活用される仕組みを目指す「予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業」を今年度から開始している。本事業を通じて、アカデミア主導による予防・健康づくり領域のヘルスケアサービスの社会実装に向けた取組みを進めることとしている。
また、厚生労働省を中心にデータヘルス改革を進めており、マイナポータルを通じた自身の健診記録等をスマホ等で管理できる仕組みが整備され、入手可能な情報が順次拡充予定である。経済産業省では、そうした個人の健康記録(PHR; Personal Health Record)を取扱う民間PHR事業者が遵守すべき事項を「民間PHR事業者による健診等情報の取扱いに関する基本的指針」として、総務省、厚生労働省とともに策定するなど、PHRの利用促進に向けて取り組んでいる。
現在、民間PHR事業者による団体の設立に向けた動きがあり、医療現場でのPHRの活用や共有を行うための標準化等に関する検討も進められている。経済産業省では、PHR事業者の団体設立に向けた支援を行っており、PHRの標準化に向けた検討状況も含めて、その動向についても紹介する。