Japan Association for Medical Informatics

[3-F-2-01] インフォームドコンセントに関連したテンプレート内容の分析

*Tomoko Hikita1, Ryoko Tanioka1, Mieko Yamada1, Megumi Iida1, Zyunko Igawa1 (1. 京都大学医学部附属病院)

Informed consent, the number of IC attendances, the duration of IC sessions

【背景・目的】インフォームドコンセント(以下、IC)は「患者が医療行為について十分に説明を受け、理解した上で同意すること」であり自己決定権に基づくもので、基本的人権として位置付けられている。当院では、2015年「医療倫理指針」が示され、その中に「ICの基本方針」が定められた。看護部では2016年6月より意思決定支援テンプレート(以下、テンプレート)を作成し、看護師がIC同席時にテンプレートで記載することとした。今回、2017年から2021年のテンプレート分析ならびに2021年7月に看護師を対象に実施したアンケート結果より、今後の課題を検討したので報告する。 【方法】分析期間は2017年1月から2021年12月とし、テンプレート項目(説明者、説明を受けた人、同席者、開始時間、終了時間、説明項目)、病棟、診療科、年齢、性別を、病院データより、入院患者数、医師によるIC記録件数を抽出した。抽出の過程で個人が特定できる項目は除いて抽出した。抽出データを記述統計により分析し、アンケート結果とともに課題を検討した。 【結果・考察】病院全体の年間のIC同席回数と時間については年々増加し、2017年3074回、138.5時間であったが、2021年は6640回、249.4時間であった。全期間の平均同席時間は27.4分(標準偏差20.15分)、最頻値は30分であった。IC同席時間帯については、15時台が一番多く、ついで14時台であった。アンケートからは「IC開始時間がわからない」「IC時間帯が日勤以外で同席が難しい」「他の業務と重なり同席が難しい」「ICとして記録に残す基準がわからない」「患者から不安や疑問がなければ記録していない」などの意見が聞かれた。今後、ICの同席を増やしていくためには、医師との情報共有やIC時間の調整、IC同席の考え方の周知などが必要であることが明らかとなった。