Japan Association for Medical Informatics

[3-F-2-03] 看護記録の自動構造化に向けた音声入力インタフェースの提案

*Natsuko Nishida1, Chang Liu1, Osamu Sugiyama2,1, Goshiro Yamamoto1, Tomohiro Kuroda1 (1. 京都大学, 2. 近畿大学)

Nursing Record, Speech Recognition, Interface

看護記録は、患者情報を共有するための重要な情報源であり、迅速かつ正確な入力が求められる。一方で、現場では手入力による記録が一般的である。看護師は手が空くまで入力ができないため、記録が後回しにされることが多く、情報共有の遅れや記録ミスが発生する。この問題の解決策の一つとして、音声対話技術を用いた記録入力支援が挙げられる。発話による記録入力は業務と並行して行えるため、記録時間の短縮及び正確性の向上が期待される。しかし、電子カルテ上の看護記録は、患者情報を複数の画面に分けて入力する必要がある。また、フリーテキストではなくクリニカルパスのように構造化された記録も多い。そのため、全ての看護記録を音声で入力することは実用的ではなく、音声入力を使用する場面の選定と構造化して記録できるようなシステムが必要である。加えて、業務が複雑な看護現場で使用しやすい音声入力システムを実現するためには、業務の流れを妨げない入力インタフェースの設計、及び業務内容に沿った入力項目の設定が必要であるが、いずれも十分に研究されていない。本研究は、構造化された記録を音声入力するために、看護師が使用しやすい音声入力インタフェースの構成要素を明らかにすることを目的とする。具体的には、血管造影室で行われる放射線科の処置を対象に、既存の看護記録と、処置開始から終了後までの医師と看護師の業務の流れを解析した。解析結果から、音声入力に適する看護記録の項目について整理した。その後、処置ごとのシナリオを持った検証用の音声対話システムを設計・実装した。Wizard of Oz法を用いて、血管造影室の看護師を対象にインタフェースの評価実験を行い、自動構造化に向けた音声入力インタフェースの構成要素について検討した。