Japan Association for Medical Informatics

[3-F-2-05] IoT技術の活用により看護行動認識精度の向上へ

*Keiko Yamashita1, Shintaro Oyama2, Teruhiko Suzuki3, Yuji Sakamoto4, Yoshinori Ideno1,4, Satomi Akagawa3, Akiko Fujii3, Yoshimune Shiratori1 (1. 名古屋大学 医学部附属病院 メディカルITセンター, 2. 名古屋大学 未来社会創造機構 予防早期医療創成センター, 3. 名古屋大学 医学部附属病院 看護部, 4. 株式会社ケアコム)

Internet of Things, Bluetooth Low Energy, Digital Transformation

【はじめに】 現代の日本経済を支える労働力不足は深刻化しており、医療では医師業務の一部をタスクシフトする働き方改革により働き方が大きく変革しようとしている。さらに新型感染症対応における業務負担増により、業務負担軽減は喫緊の課題となり、DX(Digital Transformation)による業務効率化への期待が高まっている。特に看護師は、過重労働による業務負担の大きさについてよく知られているが、それらを客観的に示すエビデンスは少ない。本研究では、IoT技術を活用して、看護行動から業務の可視化を行い、行動認識モデルを作成し定量評価を行ったので報告する。 【方法】 当院はBluetooth Low Energy (BLE)位置測位システムを導入しており、BLE信号発信源の高精度位置測位を行うことが可能で、BLE受信可能なデバイスを装着した看護師の行動をモニタリングした。行動データとセンサデータを加え看護行動(34種)に紐づけを行い、看護師本人と観察者とそれぞれ行動記録のラベル入力を行った。ラベルを教師データとして機械学習を行い、行動認識モデルを構築し比較評価した。 【結果】 看護師本人入力による認識精度は、特異度、適合率、再現率16-81%で、観察者が入力した場合は、33-90%となった。本人入力は観察者入力より精度が下がり、入力ラベルは各個人での差が大きく、看護行動ごとの相関性も低く、評価が難しいことが示唆された。 【考察】 本人入力の行動ラベルは、看護業務の特徴である同時並行業務として入力され、、比較的入力が容易な看護行動が上位を占め、ラベル入力可能なタイミングでの一斉入力も明らかとなった。入力者の違いによるバイアスも相まって、認識精度に影響する教師データとなる行動ラベルは重要と考える。今後は認識精度を向上させるため、誰でも容易に入力可能な音声認識を活用して検討を進める。