一般社団法人 日本医療情報学会

[3-G-1-01] ノーコード環境での消費者向けOTC医薬品使用管理アプリの開発

*福森 勇人1、山田 寛尚1、松田 悠希2,3、北垣 邦彦1、益山 光一1、飯島 康典4、KROON Lisa5、陳 惠一1 (1. 東京薬科大学薬学部, 2. 東京大学大学院工学系研究科, 3. 株式会社mediLab, 4. 上田薬剤師会, 5. University of California, San Francisco, School of Pharmacy)

Self-medication, PHR, OTC, No-Code, RWD

【背景と目的】 政府は、デジタル庁を創設し、医療DXを進めている。例えばOTC医薬品(一般用医薬品)に関して、購入アクセス(利便性)の改善目的に「駅改札内における OTC 販売機を用いた一般用医薬品販売の実証」を開始している。その一方で、OTC医薬品の適正使用は、使用実績データ(RWD)が存在せず、十分な確認ができない状況がある。そこで本研究では、RWD創出と評価(RWE)を目的に、ノーコード開発環境で、消費者向けOTC医薬品使用管理アプリの開発を行うこととした。
【方法】 本研究では、ノーコード環境の評価と選定、アプリ開発、開発したアプリ評価を行った。ノーコード環境は、ログイン機能有無、API機能有無、プログラミング必要性、環境使用料等、多面的に評価した。アプリ開発は、開発要件設定、DB開発、インターフェース開発の順番で進めた。開発したアプリは、スマートフォン上での動作確認、不具合等、フィージビリティ評価を行った。
【結果】 ノーコード環境の評価と選定については、ログイン機能有無、API機能(メールアドレス認証等)等の機能を有するAdaloを選択した。アプリ開発の要件定義は、ログイン機能、利用者入力機能(患者属性・症状・医薬品選択・転帰・使用評価)、閲覧機能(使用ログ・医薬品添付文書)とした。DBは、使用歴DBで入力者データ(患者属性、医薬品、使用日、3日後の転帰等)、医薬品DBでは医薬品名、添付文書(html)等を構築した。インターフェースは、入力選択肢(ドロップダウン、ボタン)、レイアウト等を設定した。アプリはスマートフォン上で期待された機能が動作することが確認された。
【考察】 本研究で、ノーコード環境で消費者向けアプリを開発することができた。アプリ開発では、試行錯誤での開発やバグ対応が必要であった。今後、iOS/androidでの一般公開を目指し開発準備を進めて参る予定である。