Japan Association for Medical Informatics

[3-G-1-03] 疑義照会入力システム導入による効果

*Yoshihiro Wada1,2, Emi Yokoyama1, Yukitoshi Ishida2, Keiko Tanigawa1, Aya Tanida1, Kazuyuki Ikeda1,2, Tetsuro Tamamoto2,3 (1. 奈良県立医科大学附属病院 薬剤部, 2. 奈良県立医科大学附属病院 医療情報部, 3. 奈良県立医科大学 放射線腫瘍医学講座)

Prescription question, Input system, Tabulation system

<目的> 疑義照会は、薬剤師法24条に規定されており薬剤師における重要な業務の一つである。当院では疑義照会を行った際、回答内容を処方箋と集計用紙に記載し、共有すべき内容は薬剤支援システムにコメント入力し処方箋に印字していた。しかし、手書き作業によるデータ集計は煩雑であり、入力内容の個人差や整合性、電子カルテに記録がない現状であった。これらの現状を改善する目的にて疑義照会入力システム(以下、本システム)を導入したので報告する。 <方法> 疑義照会内容を詳細に記録するため、過去の疑義照会内容を精査しデータ入力できる仕組みを検討した。また、入力した内容を電子カルテにて保存、閲覧可能な仕組みを検討した。本システムにより2022年2月から4月分の疑義照会があった外来院内処方を集計し導入前3か月間の件数と比較した。 <結果> 薬品ごとに疑義照会内容の変更の有無および分類項目が選択でき、各分類に対して定型文を参照し入力ができるようにした。薬剤支援システムとVNA(Vendor Neutral Archive)における連携により、電子カルテにて疑義照会内容の閲覧が可能となった。調査期間において、疑義照会件数/外来院内処方件数は1010/63271件(1.6%)で、変更があった件数は750件であった。分類項目別では、日数282件、用法144件、用量215件、重複97件、薬品情報79件、相互作用9件、検査値1件、患者訴え4件、その他179件であった。導入前は761/64792件(1.2%)であり疑義照会件数が増加した。 <考察> 本システム導入により疑義照会内容を記録する際の個人差を減らし、より適切な集計が行えるようになったと考える。また、電子カルテにて閲覧可能になったことで多職種に対して疑義照会業務の見える化が可能になった。本システムに蓄積したデータは今後の薬剤業務に活用できる重要なデータであると考える。