Japan Association for Medical Informatics

[3-G-1-05] 国内外の医薬品情報データベースを用いた日米の医薬品コード間のマッピングの試みと日本と海外の薬物相互作用情報の比較

*Yukinobu Kawakami1,2, Takuya Matsuda1, Haruki Takata1, Noriaki Hidaka2, Mamoru Tanaka2, Eizen Kimura1 (1. 愛媛大学大学院医学系研究科 医療情報学講座, 2. 愛媛大学医学部附属病院 薬剤部)

Drug Codes, RxNorm, Terminology, Knowledge Base, Drug-Drug Interactions

【背景・目的】日本の医薬品コードにおいて、国際的な統制用語集へのマッピングは殆ど公開されていない。日本の医薬品を海外で作成されているナレッジグラフに接続できれば、海外での知見を活用でき、研究上大きな恩恵を受けられることが期待される。本研究では、国内外の既存の医薬品情報データベースを複数連結させることで、医薬品成分レベルでのマッピングを試みた。
【方法】対象とする日本の医薬品コードはYJコード、国際的な統制用語集は米国のNLM (National Library of Medicine) が管理しているRxNormを選定した。KEGG (Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)で提供されているREST APIを使用してYJコードとNDC (National Drug Code)の対応を抽出した。次に、NLMで提供されているRxNorm APIを用いて、抽出したNDCに対応するRxNormの概念コード(RxCUI)と成分レベルでのマッピングを実施した。さらに、YJコードとRxCUIのマッピングデータを用いて海外の薬物相互作用情報源を複数統合したナレッジグラフに接続し、KEGGの薬物相互作用データベースから抽出した日本の医薬品添付文書の情報と比較を行った。
【結果】YJコードとRxCUIを成分レベルでマッピングできたのは1,312件であった。YJコードとRxCUIのマッピングデータを用いて日本と海外の薬物相互作用情報を比較した結果、海外では重大度が高い情報にも関わらず、日本では情報がない組み合わせが5,126件確認できた。
【考察】本研究でマッピングできた医薬品成分は、RxNormで統制されたナレッジグラフに接続することが可能である。また、日本と海外の薬物相互作用情報における差異を確認し、日本の医薬品添付文書の情報だけでは重篤な相互作用を看過する可能性が示唆された。