Japan Association for Medical Informatics

[3-G-3-02] 看護基礎教育における看護情報学のモデルシラバスの検討

*Miki Takami1,5, Kyoko Ishigaki1,5, Sachiko Syobusawa2,5, Yuko Tumoto3,5, Hitomi Sato4,5 (1. 兵庫県立大学看護学部, 2. 岩手医科大学看護学部, 3. 島根大学医学部看護学科, 4. 札幌市立大学看護学部, 5. 日本医療情報学会看護部会看護情報教育ワーキンググループ)

Nursing education, Nursing Informatics, Syllabus

2019年10月に報告された「看護基礎教育検討会報告書」では、“情報通信技術(ICT)の発展に伴い、医療現場や教育機関でのパソコンやタブレット型端末等の活用、遠隔診療・保健指導の導入、医療機器の高度化等が進展しており、看護基礎教育においても情報通信技術(ICT)を活用するための基礎的能力を養うことが重要”と明記された。卒業後に病院情報システム等を使用し、データを取り扱うことが出来るようになるためには教育が必要であり、それを担うのが「看護情報学」となる。しかし、看護基礎教育において「看護情報学」が科目として存在しているか、またその教育内容の実態は不明確である。本研究では、看護基礎教育における看護情報学のモデルシラバスの作成を最終目的とし、看護情報学の教授状況の調査を行った。日本で現在販売されている看護情報学に関する教科書の記載内容に基づき、看護情報学における教育内容の分析を行った。併せて、全国の看護系大学を対象に、インターネット上に公表されている「看護情報学」科目の有無とシラバスに記載されている教育内容について調査を実施した。これらの結果に基づき、看護系大学にて看護情報学を教育している研究者4名でモデルシラバス案を作成し、看護系大学院にて看護情報学を担当している研究者1名からスーパーバイズを受けモデルシラバスの検討を行った。
看護情報学の入手可能な教科書は2冊、A誌504項目、B誌181項目が教育内容として抽出され、同じ内容について記載していると考えられる項目を研究者で検討し、分析を進めた結果、看護情報学に教育内容として9つの大分類が抽出された。また、シラバス調査では、看護系大学290校中、「看護情報学」の科目があったのは45校、うちシラバス検索が出来た大学は41校であった。これらの結果に基づいて更なる検討を進め、看護基礎教育における看護情報学のモデルシラバスを提案する。