Japan Association for Medical Informatics

[3-G-3-06] 臨床実習前における自己学修を支援するアプリケーションの開発と評価

*Masahiro Harada1, Keiichi Sida2, Kenji Tokumori2 (1. 帝京大学 大学院 保健学研究科 診療放射線科学専攻, 2. 帝京大学 福岡医療技術学部 診療放射線学科 )

OSCE, Application, Self-studying

背景・目的 現在の放射線学科のObjective structured clinical examination (OSCE)は、標準化されておらず、教材が少ない。そのため、教員が学生の指導・評価を行うことが多く、自己学修が難しい。 本研究の目的は、自己学修において患者接遇の技術向上を達成するために、実習に際し、学生の自己学修をサポートするアプリケーション(以下アプリ)を独自で開発、導入し、そのアプリケーションの有用性を評価することである。 方法  本研究では、iPhone上で学生が自己学修できるアプリをXcode(Apple社製)で開発を行った。アプリには、OSCEの教材となる動画や簡易版のOSCE評価シートを搭載した。各マニュアルとなる動画を含んだ「学生モード」と、OSCE監督者目線からの動画として「監督者モード」を設けた。対象とした学生は、本学の学生3年生53名、そのうちアプリを使用した学生は28名であった。アプリケーションの使用期間は、OSCE前の1週間とし、OSCEの撮影部位は胸部とした。アプリの評価は、1)学生の動画視聴ログの解析、2)アプリの使用感に関するアンケートの実施、によって行った。また、OSCEスコアをアプリの使用群と不使用群で比較した。統計ソフトはEZRを使用し、マンホイットニーのU検定にて有意水準は5%とした。 結果 学生一人当たりの動画の平均視聴回数は1.29回、標準偏差は0.97であった。平均視聴時間は2分29秒、標準偏差は3.09であった。OSCEスコアの最小値・中央値・最大値は、それぞれ、アプリ使用群では、67点・74点・78点であり、アプリ不使用群では、69点・74点・77点であった。アプリを使用することによる、OSCEスコアの有意差は見られなかった。現時点でアプリの評価中であり、発表時にはデータ数を増加して発表する。