Japan Association for Medical Informatics

[3-G-3-07] 情報システム開発を専門としない学生を対象としたPBLによる健康観察アプリケーションの開発と運用

*Tsuyoshi Mukohara1, Naoki Fujimoto1, Takumi Tanikawa2, Masayuki Koyama3, Shintaro Takatsuka3, Ryuichi Nakayama4, Jun Fukuda5, Hidehiro Ozawa6 (1. 北海道情報大学, 2. 北海道科学大学, 3. 札幌医科大学, 4. 北海道立羽幌病院, 5. ESRIジャパン(株), 6. 札幌市保健所)

PBL, GIS, Systems development education

【はじめに】 筆者らが開発し,札幌市保健所で運用されている「こびまる」の知見の一つとして,ArcGIS Onlineや関連ソフトウェア(以下,AGOLおよび関連ソフト)を利用すると,健康観察アプリをローコードで開発できることがあげられる。このとき,AGOLや関連ソフトは情報システムの開発プラットフォームと位置付けることができる。 この開発プラットフォームを利用した経営学を専攻する文系学生による健康観察アプリ開発プロジェクトのプロセスや成果を報告する。 【方法】 筆者らが所属している大学の学生の卒業研究として,AGOLおよび関連ソフトを活用した大学生用の健康観察アプリを開発し,運用するという課題をあたえ,取り組ませた。学生らが開発チームであり,筆者ら教員が顧客という位置づけのPBLである。本プロジェクトにとりくませる前に,AGOLおよび関連ソフトの使い方や,Pythonなどの最低限の教育は,著者ら教員側で実施した。運用する中で必要な機能は適宜指示を与え,インプリメントしていったアジャイル開発スタイルを採用した。 【結果と考察】 札幌市保健所の「こびまる」と同様に健康観察入力機能やダッシュボード機能をもちあわせているのはもちろん,入力者の識別,中国語や英語などの多言語対応,授業の出欠管理機能など,「こびまる」ではなかった機能が,顧客である教員の指示によってインプリメントすることができた。出席管理機能は,オンデマンド授業で実施する授業では,学生証を利用した学内の出席管理システムが利用できず,それに代わる機能として必要であった。また健康観察に学生が協力するモチベーションにもなった。AGOLを基盤ソフトウェアとしたシステム開発と運用は,情報システム開発を専門としない経営学専攻の学生でも可能であり,AGOLおよび関連ソフトは有効な開発ツールとなりうることがわかった。