Japan Association for Medical Informatics

[3-G-3-08] 医療系専門職養成教育現場における多職種連携教育Virtual Reality(VR)システムの有用性の調査
- 医療専門職を対象とした事前検証 -

*Shotaro Komaki1, Shogo Baba2, Yuuko Yotsumoto3, Takayuki Yamashita4, Daisuke Hirahara5 (1. 鹿児島医療技術専門学校 言語聴覚療法学科, 2. 鹿児島医療技術専門学校 診療放射線技術学科, 3. 鹿児島医療技術専門学校 作業療法学科, 4. 鹿児島医療技術専門学校 理学療法学科, 5. 学校法人原田学園 経営企画室)

Line of Sight Characteristics, Training Education, Usability

【はじめに】近年、多職種連携教育への取り組みが積極的である。しかし、感染拡大が続く昨今、対面による感染リスクを負うことなく医療技術を習得できる遠隔実習環境の整備が求められている。発表者らはVRを利活用し、臨床現場における専門職の協働場面を視聴体験できる教材の開発を行い、養成教育への導入を計画している。今回、嚥下造影を見学する実習生目線で、連携場面を疑似体験できる教材の制作を行った。有益な教育提供へ繋げる事を目的に、事前検証として授業実践前に養成校教員を対象に、VR教材の試用感調査と専門職ごとに別けた仮想空間内における視線動向の分析を行った。
【方法】各専門職の養成校教員を対象に、視聴における疲労感の程度や教材の有用性等について選択・記述式のアンケート調査及び、教材内にて多職種の関与場面における視線動向の調査を行う。なお、分析箇所は連携の要点として設定したイベント発生場面(嚥下造影中の「喉頭侵入(むせ込み)」場面)で、各専門職が患者のバイタル確認や理学的所見に関する評価の為に連携する箇所とした。
【結果】アンケート結果より、感染リスク対策において有効(12/13)という意見のほか、VR教材は技能習得に比べ、知識習得に活用できるという意見が聞かれた。また、専門職間において、x軸方向(各専門職と患者の位置関係)に対する視線動向が異なる傾向がうかがえた。
【考察】 アンケート結果より、多職種連携教育へのVR活用は肯定的な意見が窺えたが、遠隔実習環境においてのVR活用は、技能習得という点では更なる改良を要すると思われた。また、視線動向より、嚥下造影場面にて言語聴覚士、看護師といった患者に直接介入を行う職種と、検査・機器管理を行う診療放射線技師では視線動向が異なる様子がうかがえた。本教材が発展・深化する事で、医療従事者協働連携理解に繋がり、患者診療に関する連携の質の貢献に寄与されると考える。