一般社団法人 日本医療情報学会

[3-H-1-01] 厚生労働省標準規格HS017(JJ1017指針)用作業補助ツールは作業の効率化に寄与するか

*森田 周作1,2、玉本 哲郎2,3、西川 哲也2、石田 幸敏2 (1. 奈良県立医科大学附属病院 中央放射線部, 2. 奈良県立医科大学附属病院 医療情報部, 3. 奈良県立医科大学附属病院 放射線治療科)

RIS, Ordering System, Standard Conformance, JJ1017

はじめに 厚生労働省標準規格(JJ1017指針)以下JJ107は特に放射線部門で用いられる各種オーダー情報をコード化して表現するための標準規格として認定されているが、まだまだ一般的ではないため、ベンダから変換ツールの提供が行われることもなく、コード作成については各施設で行う必要がある。
目的 JJ1017コードを実装するにあたって作業の中で最も作業時間を費やしたものがJJ1017コード作成作業であったことから、今回我々は、市販の表計算ソフト(Microsoft Excel)を用い、簡便にJJ1017コード作成作業が行えるよう、作業補助ツールを作成し、ツールの有無によって作業時間・正確率の比較を行い、ツールが業務効率の上昇に寄与するかの評価を行う。
方法 Microsoft Excelを用いてJJ1017の各項目についてデータを作成し、プルダウンから項目を選ぶだけで自動的にコードに変換され、すべての項目に入力することで32桁のJJ1017コードが作成できるよう設定した。 放射線技師7名を選び、放射線オーダー10件をツール使用しない方法(以下パターン1)と作業補助ツールを使用した方法(以下パターン2)でJJ1017コードを作成させ、作業時間の比較と、作成されたコードの正解率を比較した。
結果 パターン1とパターン2作業時間はそれぞれ平均41.7分と平均20.7分となった。正解率はパターン1とパターン2でそれぞれ平均91.4%と98.6%となった。これらの結果について、有意水準 5%で両側検定のt検定を行ったところ、作業時間・正解率ともに有意差ありとの結果になった。
考察 パターン1とパターン2で比較した結果から、JJ1017コード作成の作業時間・正解率とも有意差ありとの結果になったことで、作業補助ツールを使用することにより作業効率を上昇させることが示唆された