Japan Association for Medical Informatics

[3-H-1-02] ICFコードの活用とコーディングの整合性と妥当性の検討 
~評価尺度を用いたICFコードの評価~

*Masayo KOMATSU1, Ling Zha1, Emiko Oikawa3, Masahiko Mukaino2, Tetsuhisa Kitamura1, Tomotaka Sobue1 (1. 大阪大学, 2. 藤田医科大学, 3. 一般社団法人 日本ICF協会)

ICF, record, scale

【背景】ICFは、生活機能に関連する項目を網羅的に表現しており、ICDとの紐づけが可能である。ICFコードはローマ字と数字の組合せで表記され、第1レベルから第4レベルまでの階層構造による約1,600の分類コードである。ICD-11において、ICFを基本とした新たに生活機能分類を示すV章生活機能評価に関する補助セクションが導入されるなど、ICFが国際統計分類として果たす役割は大きい。しかし、コード数の多さからコードの取捨選択が複雑になることや、実行状況や能力の評価点の妥当性評価が不十分であることから、ICFコードの幅広い普及と活用には至っていない。ICFコードを患者の機能評価項目にリコードし、症状や生活機能の評価として用いた研究報告は散見されるが、リコード自体の整合性や妥当性に関する報告は非常に少ない。 【目的】ICFコードのリコードに関する整合性を評価し、リコードに関する課題を抽出する。 【方法】ADLやQOL等に関連する41の評価尺度2462項目について、ICFに関する知識や理解程度を3段階(初心者・医療系国家資格保持者・専門家)に分類した評価者によるリコードを実施した。各評価者によるリコードの一致率(kappa係数)を算出し、リコードの整合性を分析した。また、リコードされた評価尺度の構造をICFの視点から分析を行い、ICFコードの妥当性を検討した。 【結果】3段階の評価者によるリコードの一致率は、初心者と国家資格保持者の一致率は0.8以上と高値を示した。初心者と専門家の一致率は0.7であった。しかし、初心者と国家資格保持者と専門家の3者間の一致率は0.6に低下した。 【結語】3段階の評価者によるリコードは、一致率より概ね一致していることが窺えた。また、不一致項目には、時期や程度、頻度を問う内容が含まれるなど共通点が存在した。