Japan Association for Medical Informatics

[3-H-1-05] 標準病名マスターの修飾語とICD-11エクステンションコードとの関連に関する研究

*Kayo Watanabe1, Jyunko Kamei2, Takehiko Mita1, Tomohiro Tanikawa1, Makoto Anan1, Yuji Akiyama1 (1. 川崎医療福祉大学 医療情報学科, 2. 川崎医療福祉大学 医療秘書学科)

ICD-11, extension codes, postcoordination, Standard Disease Name Master Modifier Table

【目的】ICD-11は疾病概念を含む臨床現場に即した情報体系であるため、臨床研究や政策立案への活用が期待される。今回の改訂で導入されたポストコーディネーションは、ステムコードやエクステンションコードを組み合わせることで、より詳細な情報を持たせることが可能である。また電子カルテにおいては、病名に詳細情報を付加するために標準病名マスターの修飾語テーブルが用意されている。そこで、標準病名マスターの修飾語とエクステンションコードの関連を調査し、ICD-11導入に向けた課題抽出を目的に研究を行った。【方法】MEDIS標準病名マスターVer.504の修飾語テーブルに収載されている2,393件の修飾語に、WHOのICD-11ブラウザを用いてエクステンションコードを付与した。エクステンションコードは、解剖/部位、重症度、局所スケール等13カテゴリに分類されているため、エクステンションコードを付与できた修飾語には、該当カテゴリを登録した。【結果】エクステンションコードを付与できた修飾語は1,073件、できなかった修飾語は1,181件、分類の粒度が異なるものや検討を要するものは139件であった。また、付与できた修飾語のうち最も多かったカテゴリは、解剖/部位の932件であった。解剖/部位の修飾語のうち臼蓋、上縦隔洞、下縦隔洞等は該当するエクステンションコードがなかった。また三果は内果・外果・脛骨後果、楔状骨は内側楔状骨・外側楔状骨・外側楔状骨にコードが分かれ、三果、楔状骨等、詳細情報を含まない包括的な修飾語には該当コードのないものがあった。【考察および結論】最も多く付与できた解剖/部位でも、該当するエクステンションコードのない修飾語がある等、課題が明らかとなり、WHOへの追加要請や、修飾語の表現をエクステンションコードに合わせる必要性が示唆された。今後は課題に対する解決方法をさらに検討したい。