[3-H-1-06] 薬剤用法コードの標準コード変換における課題
standardization, data utilization, Administration, Real World Data
【背景と目的】臨床研究中核病院が参画しているAMED事業通称「臨中ネット」では、病院情報システム内にある医療情報データの利活用を促進するための基盤整備の取り組みを行っている。その中のサブワーキング(SWG)3では、コードの標準化について取り組んでおり、その成果については、第41回医療情報学連合大会にて大阪大学から報告された。以降の作業の一つとして薬剤用法の標準化に取り組み、先に選定された標準コードの適用や粒度、範囲の決定、変換作業についての問題点の洗い出しを行うために、現在、電子カルテで利用しているマスタデータについて調査を行った。【方法】選定した標準コードについて、2大学病院のマスタについて、標準コードの採番作業を行った。作業は用法マスタに記述されている文字列から、標準用法規格に沿って採番し、文字列と同じ意味合いを共通コードで表現する上での問題点を洗い出した。【結果】用法マスタの表現には、同じ語句だが別の意味合いになる表現や方言が使われている場合、イベント用法で規格には設定されていない回数やイベントが使われている場合、回数やイベントが併記されている場合、イベントが複数併記されている場合など、標準用法規格に単純に変換できないケースや、表しきれないケースがあることが判明した。また、当院の調査から、表記が自由に変更できるいわゆる「ワープロ用法」が存在することが判明した。【考察】これらについては、担当者の解釈により誤ったコード表現や複数の表現をすることが可能であり、コードのばらつきが懸念される。それを防ぐためには各施設内での標準コード付番作業について、ある程度の基準を検討する必要がある。また、調査の過程で、ワープロ用法や、当院のシステム上、用法についてのコメントが複数入力されたオーダーデータについては、コードからの単純変換ができないことが判明し、今後の課題となっている。