[3-H-1-08] アレルギー情報の標準化を目指すJFAGYアレルゲン用語集とアレルゲンコードシステム
Allergy, Terminology, Standardization
【背景】アレルゲン情報を施設間で共有するために、標準アレルゲン用語が必要となる。ICD-11を始めアレルゲンを収載するコードシステム(CS)は存在するが、日本固有の食品や日用品の用語が収載されないため、流用することは適当ではない。一方で、医薬品は国内で流通するCSが存在するため、これを活用し食品や日用品のアレルゲン用語と併せて利用可能となることが望ましい。 【目的】アレルゲン用語集(JFAGY)ならびに、JFAGYと既存の医薬品CSを統合して利用するためのアレルゲンCSを開発する。 【方法】アレルゲンを食品・非食品・医薬品に区分し、食品と非食品をJFAGYの対象とした。JFAGYのベースとして日本標準商品分類を採用し、アレルギー診療ガイドライン等より抽出したアレルゲン用語を追加することで開発した。また、アレルゲンCSは複数のCSを束ねる番号体系として開発した。 【結果】JFAGYは上位・下位関係を有する6階層と、部分・全体関係や加工状態の違いにあるものをグループ化する1階層の計7階層で構成し、食品に関する2,792用語と非食品に関する586用語を収載した。また、用語の識別コードを比較することで、任意の2用語の上位・下位関係を判別可能とした。アレルゲンCSは、1) CSの識別、2) CS固有のコード桁数、3) 食品・非食品・医薬品の識別からなる計3桁のメタコードと、それに続いてCS固有のコードを結合する番号体系とした。 【考察】JFAGYは日本固有の食品や生活環境に由来するアレルゲン用語を多く含むため、多様なアレルゲンの記録が可能になると期待される。また、用語の上位・下位関係を計算できるため、記録するアレルゲンが、過去に否定されたアレルゲンに矛盾するかなどの自動判断が可能となる。今後はアレルギー専門家のレビューを受け、収載用語のブラッシュアップを予定している。