一般社団法人 日本医療情報学会

[3-I-1-02] アラーム音自動検出システムに適したマイクロホン下限性能の検討

*岸本 和昌1、竹村 匡正2、山本 豪志朗1,3,4、杉山 治5、小島 諒介3、黒田 知宏1,3,4 (1. 京都大学医学部附属病院, 2. 兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科, 3. 京都大学大学院医学研究科, 4. 京都大学大学院情報学研究科, 5. 近畿大学情報学部)

Clinical Alarms, Deep Learning, Sound Event Detection

医療従事者が患者の状態を把握することは重要であり、異常状態を即座に知ることで安全性の高い医療が提供できる。医療機器はJIS規格に基づき異常状態を通知するためにアラーム音を発報するが、医療従事者は遠方や夜間の見回りのために病室で鳴るアラーム音に気付けないことがある。一方でIHE:PCDに準拠した医療機器の増加によってHIS連携が進んでいるが、ネットワーク接続非対応の小型機器も病棟に存在するため、医療機器の異常時に鳴るアラーム音を検出できれば効果的である。これまでマルチラベルを付与した重複音の識別や、エッジデバイスによる音声認識も試みられている。これらからアラーム音の機種を分類し、既にHISと連携している医療機器と区別することによって、ネットワーク接続非対応の医療機器も含めて簡易にHISと連動できる。また、多数の病室があるため患者ベッドサイドに設置したエッジデバイスを用いて検出結果を通知することで、システム全体の合理化を図ることが期待できる。我々はアラーム音自動検出システムをシングルボードコンピュータとマイクロホンのコンポーネントで検討してきたが、ベッドサイドで利用する場合は小型なパッケージが望ましい。そこでアラーム音は単純な正弦波信号であるため、より小型なマイクロホンが利用できる可能性がある。本研究では、深層学習を用いたアラーム音自動検出システムの構築を目的として、代表的ないくつかのモノラルマイクロホンを用いてアラーム音の分類性能を比較した。様々なマイクロホンを調査した結果から、アラーム音自動検出システムに用いるエッジデバイスの小型化が期待できた。