Japan Association for Medical Informatics

[3-I-2-03] COVID-19の異なる医療機関と時期における頻出医療指示パターンの比較

*ZITAI ZHAO1, Hieu Hanh Le1, Ryousuke Matsuo2, Tomoyoshi Yamazaki1, Kenji Araki3, Haruo Yokota1 (1. 東京工業大学 情報理工学院, 2. 一般社団法人ライフデータイニシアティブ, 3. 宮崎大学 医学部附属病院)

Sequential pattern mining, Electronic Medical Records, Sequential variant, Medical Support, Comparison of treatments at different time periods

電子カルテの普及に伴い,蓄積された医療情報の二次利用による医療支援が期待されている.二次利用の例として,電子カルテデータからの頻出医療指示パターン抽出による治療法毎の典型的な医療指示の流れとそのオプションの把握があり,医療の改善支援に役立たせることが可能となる.特に,医療指示内容の医療機関や時期による違いを示すことは有用である.

筆者の研究グループでは,電子カルテデータベースから解析対象とする治療を行った患者に対する医療指示のシーケンスを抽出し、シーケンシャルパターンマイニングを適用することで最小支持度を満たす頻出医療指示パターンを導出する研究を行ってきた.その中で,パターンの一部が異なるバリアントを求め、バリアントの安全性や効率性の評価と,分岐の要因分析を行ってきた.さらに、異なる医療機関でのバリアントを含む頻出医療指示パターンの違いを示すため,最長共通サブシーケンスバリアント(LCSV)と,それを用いた併合シーケンスバリアント(MSV)の概念と導出方法を提案し,実2医療機関の医療指示の差異を示した[1].

MSVは単一医療機関内での同一疾病の異なる時期における治療の違いを示すためにも有用である.本研究は, COVID-19の異なる時期のシーケンスバリアントからMSVを求めることで,頻出医療指示の時期による差分を示す.

実験では「COVID-19感染の診療への影響調査と予測モデル開発」に関する研究の研究協力機関から収集した医療情報を活用した.複数医療機関のCOVID-19の第3,4,5波における医療指示シーケンスを抽出し,重要パターンの絞込みのため,定型的な医療指示を省いてMSVを導出し,時期による違いを可視化した.

参考文献
[1] Li 他,シーケンシャルパターンマイニングに基づく多病院間の頻出治療パターンの比較,DEIM2023, A21-4, 2022.3.