[3-I-3-04] 放射線部門における患者顔認証システムの開発と評価
~改良型顔認証システムの認証精度~
Face recognition, Patient misidentification, RIS
目的
臨床現場では、従事者の思い込み等により患者誤認が発生する。この課題に対し、患者の生体情報である顔を利用した顔認証システム(Patient Face Recognition System: PFRS)を開発し、CT室で臨床応用を行ってきた。本研究の目的は、改良型PFRS の認証精度を旧型PFRSと比較し、有効性を明らかにする。
方法
PFRS(キヤノンメドテックサプライ株式会社)は、顔登録用カメラと認証ソフトで構成され、放射線部門システム及びCT室内のカメラと連携している。対象者は、旧型PFRSは164例、改良型PFRSは133例である。旧型PFRSはマスクを外して顔登録・認証を行い、歩行時に認証した。改良型PFRSは、顔登録・認証時にマスク着用で行い、歩行時と仰臥位時の2つの位置から認証を行った。認証結果から認証成功率を算出し、フィッシャーの直接確率検定にて有意差を判定した。
結果
旧型PFRSで認証成功例は146例、認証成功率は93%であった。改良型PFRSは同様に、128例、96%であった。改良型PFRSの歩行時は20例で認証されなかったが、その内15例は仰臥位時で認証した。旧型PFRSと改良型PFRSの認証結果に有意差は認められなかった(p=0.6803>0.05)。
考察
マスクを着用した改良型PFRSは、旧型PFRSと同等に認証ができた。改良型PFRSは、歩行時の認証で失敗しても仰臥位時で認証が可能なため、旧型PFRSより成功率が高くなった。しかし、仰臥位用カメラの位置が、患者の顔に対して鋭角となり認識できなかった。仰臥位用カメラを寝台の真上に設置することで、認証精度が改善する。
結論
改良型PFRSをCT室に適用し、マスク着用状態で顔認証の精度は担保されていた。歩行時・仰臥位時の2つの位置から認証することで認証精度は改善し、 PFRSによる患者認証の実用化に向けて前進した。
臨床現場では、従事者の思い込み等により患者誤認が発生する。この課題に対し、患者の生体情報である顔を利用した顔認証システム(Patient Face Recognition System: PFRS)を開発し、CT室で臨床応用を行ってきた。本研究の目的は、改良型PFRS の認証精度を旧型PFRSと比較し、有効性を明らかにする。
方法
PFRS(キヤノンメドテックサプライ株式会社)は、顔登録用カメラと認証ソフトで構成され、放射線部門システム及びCT室内のカメラと連携している。対象者は、旧型PFRSは164例、改良型PFRSは133例である。旧型PFRSはマスクを外して顔登録・認証を行い、歩行時に認証した。改良型PFRSは、顔登録・認証時にマスク着用で行い、歩行時と仰臥位時の2つの位置から認証を行った。認証結果から認証成功率を算出し、フィッシャーの直接確率検定にて有意差を判定した。
結果
旧型PFRSで認証成功例は146例、認証成功率は93%であった。改良型PFRSは同様に、128例、96%であった。改良型PFRSの歩行時は20例で認証されなかったが、その内15例は仰臥位時で認証した。旧型PFRSと改良型PFRSの認証結果に有意差は認められなかった(p=0.6803>0.05)。
考察
マスクを着用した改良型PFRSは、旧型PFRSと同等に認証ができた。改良型PFRSは、歩行時の認証で失敗しても仰臥位時で認証が可能なため、旧型PFRSより成功率が高くなった。しかし、仰臥位用カメラの位置が、患者の顔に対して鋭角となり認識できなかった。仰臥位用カメラを寝台の真上に設置することで、認証精度が改善する。
結論
改良型PFRSをCT室に適用し、マスク着用状態で顔認証の精度は担保されていた。歩行時・仰臥位時の2つの位置から認証することで認証精度は改善し、 PFRSによる患者認証の実用化に向けて前進した。