Japan Association for Medical Informatics

[3-P-1-04] 医療職の負担軽減を目的としたCOVID-19関連システムの開発とその効果

*Hideaki Ito1, Kiriko Genno1, Mayuko Sakai1, Yoshito Tanaka1, Chiharu Ooe1, Mami Ikemura1, Akishige Kanazawa1 (1.大阪市立総合医療センター)

COVID-19, System Development, TQM Center, Medical Information

【背景】当院はCOVID-19治療の重点医療機関として指定されており、医療者は従来の業務に加えてCOVID-19への対応を行う必要がある。手術室では全症例にPCR検査を実施しているが、結果の抽出・確認に時間を要していた。また、入院中患者が陽性になった際に、濃厚接触者の特定にも時間を要し、日常業務を圧迫していた。医療情報部として医療者の負担軽減を行い、医療業務に専念できる環境を構築する必要があると考えた。
【目的】①手術室の術前PCR検査の結果確認にかかる業務の時間短縮 ②入院中患者が陽性となった際、濃厚接触者の特定にかかる時間の短縮
【方法】COVID-19に関連した医療者の負担となっている作業を聞き取り、現状調査を行う。電子カルテデータを活用したシステムを開発し、現場での活用が可能か検証を行う。検証後、導入を行い、院内へ活用方法の周知を行う。その後、効果検証を行う。
【結果】①手術室:1日40~50件の手術症例に対して、カルテを開き60~90分かけてPCR検査の結果を確認していたが、「PCR検査結果抽出ツール」導入後、確認作業の所要時間が5分程度まで短縮できた。 ②濃厚接触者特定:陽性患者が院内発生した際、医師と看護師が手作業で同室者の特定と接触した看護師・医師・コメディカルを特定していたが、「感染症接触者抽出ツール」を導入したところ、約半日を要していた作業のうち、特定に1分、その後の確認作業を含めて30分で可能となり、時間短縮ができた。
【考察】これらを開発したことにより、手術室は日々約1時間、濃厚接触者の特定は約4時間程度短縮でき、医療業務に専念できる環境づくりに貢献でき、有用であったと考える。
【結語】他職種連携やチーム医療が推進されている中で、医療情報部としての役割を再確認した。今後も必要な情報をすぐに抽出できる仕組みを提供し、医療の質向上につながる改善活動に努めていきたい。