Japan Association for Medical Informatics

[3-P-1-05] Microsoft Excel® VBAを用いた医薬品パスボックスシステムの構築

*Yuri Tsuruoka1, Toma Shimada1, Sadaaki Yoshino1, Kenji Ikeda2, Koji Shinozaki1 (1.国際医療福祉大学成田病院 薬剤部, 2.大阪大学大学院薬学研究科)

Pharmaceutical Management Information System, Distribution Management System, Supply and Distribution

【背景・目的】
 当院は、コロナ渦において社会的使命を果たすため、2020年3月に予定よりも約1カ月前倒しで開院した。薬剤部から他部署への医薬品払い出しにおいても準備が整っていない中、手渡しおよび受領印の押印で払い出しを行っていた。パスボックスが稼働した後も、受け渡しの正確性には問題点があった。払い出し確認業務の負荷を軽減するため、また物品譲受の正確性を向上させるため、パスボックス譲受記録システムを構築した。
【方法】
 パスボックスの医薬品譲受における実施者・時間・部署の記録及び履歴閲覧を、簡便かつ迅速に行えることを目的とし、システム構築を行った。 職員IDカード ( Mifare ) を利用して非接触型ICカードリーダーで実施者を識別し、利用するパスボックス番号を選択して登録が行えるものとした。本システムは、Microsoft Excel® VBAを用いて構築した。
【結果】
 IDカードを非接触型ICカードリーダーにタッチし、利用したパスボックス番号を選択し決定ボタンを押すだけで登録ができるため、誰でも容易に使用することが可能となり、効率的に譲受記録を保管することが可能となった。履歴閲覧に関しては、薬剤部内のネットワークHDD ( NAS ) で管理することにより、迅速な情報伝達を可能とした。
【考察】
 パスボックス譲受記録システムの導入により、受領印押印などの負担が軽減された。また、医薬品授受者も瞬時にわかるようになり、問い合わせに対する対応の簡便化に繋がった。 一方で、システムのメンテナンスが可能な人員は限定されている点、より一層ヒューマンエラーに対応しうるセキュリティー機能を付加する必要がある点は今後の課題である。 将来、このシステムをもとに、ID情報を埋め込んだタグ ( RFID ) などと組み合わせて、施設内における物品の所在を把握できれば、院内の物流管理を透明化でき 、さらに業務の効率化を図れるものと考える。