Japan Association for Medical Informatics

[3-P-1-06] 病院情報システム更新におけるインクジェットプリンタ採用の業務改善およびコスト削減効果

*tetsuji ootomo1, Takehiro Matsumoto2, Mayumi Ito1, Akemi Tsuji2, hozumi Horita2, Ryosuke Ichihashi1 (1.長崎大学病院 事務部 医事課医療情報管理室, 2.長崎大学病院 医療情報部)

inkjet printer, Cost comparison, Business improvement, laser printer

【背景】長崎大学病院では、2021年7月の病院情報システム更新時に業務用のメインとなるプリンタを従来のレーザ式からインクジェット式に切り替えた。 【目的】インクジェットプリンタが病院情報システム運用にもたらした効果をコスト削減及び業務改善の面から評価・考察する。 【方法】コスト削減効果については本体の初期導入価格(単価×購入台数)及びランニングコスト(稼働後6か月の消耗品購入実績をもとに割り出した稼働後7年間の推定コスト総額)をレーザ式の実績と比較した。対象となる台数はA4プリンタ379台、A3プリンタ85台である。また業務改善効果については看護師150名以上を対象に4つのカテゴリ(印刷速度、画質、色合い、操作性)についての満足度調査を実施。また稼働後10か月間のメーカーへの修理依頼実績を基に月平均修理依頼件数を算出し、レーザ式の実績と比較評価した。 【結果】初期導入コストはインクジェット式の方が総額14,727千円のコスト削減となった。またランニングコスト試算においては、レーザ式が総額で199,862千円に対し、インクジェット式では132,263千円となり、67,599千円のコスト削減となった。 利用者アンケートの結果、全てのカテゴリにおいて9割の利用者が「満足」または「ほぼ満足」と回答。メーカーへの月平均修理依頼件数はレーザ式の場合、20.9件だったが、インクジェット式になって1.6件へと大幅に改善した。また、保守管理面においてもインク交換が簡単で現場でもできるようになったこと、保管場所についてもトナーに比べインクの方が従来の2割程度まで削減できたこと、トラブル対応時間が削減されたこと等、業務改善がみられた。 【考察】今回の検証により、病院情報システムとして全面的にインクジェットプリンタを採用したことは、コスト面及び業務改善面からも有効であることが実証された。