Japan Association for Medical Informatics

[3-P-2-01] 病院情報システムネットワーク内で構築したe-Learning を使った研修環境の改善について

*Satoshi Nagasaki1, Hideto Shingetsu2, Ichirō Ishida1, Takeyuki Kushima4, Hidehito Matsuoka3 (1.兵庫県立淡路医療センター 医療情報課, 2.兵庫県病院局企画課 情報戦略班, 3.兵庫県立淡路医療センター 呼吸器外科, 4.兵庫県立淡路医療センター 放射線科)

e-Learning, Hospital information system network, Education and Training Environment, business improvement

【背景と目的】
当院は遠隔地にあり、出張研修に多くの時間と費用を必要とする。可能な範囲で院内研修の催行に努めてきたが、COVID-19の感染拡大により集合型研修自体困難な状況となった。 そこで効率的な研修のため医療情報系ネットワークにe-Learningシステムを構築したので報告する。
【システム構築】
プラットフォームは医療情報系ネットワーク内の仮想サーバを流用し、e-Learningシステムはオープンソースを採用した。イントラネット内に構築することで効果的なセキュリティ対策が可能となり、電子カルテ端末の利用により開発・検証のスコープを最小とした結果、費用と工数を圧縮し構築できた。また受講者を把握し、試験など学習の評価を可能とする機能を付加して医師の専門医取得、更新のための必須研修に対応した。
【結果】
構築以前より利用していたインターネット上の動画配信サービスと本システムで同じ動画コンテンツを用いて視聴者数を比較したところ、双方の視聴者数に差はなかった。だが職種別では看護師の61%がe-Learningで視聴していた。さらに対象を看護師とした動画で比較すると500%以上がe-Learningで視聴していた。 また研修運営側のアンケートでは受講の状況把握や学習の評価が容易、受講人数が増加したとの意見が見られた。研修コンテンツ数も導入前(2020/8~2021/9)は7件、導入後(2021/10~2022/5) 20件と短期間で増加した。
【考察】
従来の集合型研修は予算の問題で出張あるいは開催制限があり、オンライン視聴と動画配信サービスにアップロードすることで補っていた。その結果、受講数の低下や把握、学習の評価などが困難であったが、本システムは参照できる端末が多く、業務の合間を縫って利用できるため看護師を中心に参加が厳しい職種に改善が見られた。また研修運営側の管理にかける時間も改善された。