Japan Association for Medical Informatics

[3-P-2-02] 医療情報技師教育における学習管理システムの活用とその取り組みについて

*Ken Nakamura1, Tomofumi Hiratsuka1 (1.学校法人岩崎学園 横浜医療情報専門学校)

Medical Informatics, Education, Online Schooling

横浜医療情報専門学校(以後、本学)は1989年に開校し、首都圏初の医療情報技師養成の4年制専門学校として2012年「医療IT科」を新設した。以来、本学では医療現場を支える技術者の育成に取り組んでいる。2020年にCOVID-19が流行し、オンライン授業導入が急務になった。本学では流行前より学習管理システム(以後、LMS)による学習教材の配信や学習状況の進捗確認に取り組んできたこともあり、オンライン授業導入については円滑に進めることができた。だが、LMSではオンラインで学生とリアルタイムに連絡を取り合うことに限界があることが課題として分かった。その解決策として学生とリアルタイムに「事務連絡」「授業連絡」の伝達を目的として、ビジネスチャットツールであるSlackを導入した。本稿では、オンライン授業に対する本学生の満足度の推移とSlackの活用事例について報告する。オンライン授業に対するアンケートは2020年~2021年にかけて、計4回実施した。その結果「総合的な満足度」「学習効果満足度」の項目では、上昇率が108.7%、125.1%となったが、「コミュニケーション満足度」では89.4%と減少した。一方「口頭よりもSlackの方が連絡はとりやすい」との声も上がっている。従来のコミュニケーションの観点では満足度は低いが、総合的な満足度は高かった。SNSのように気軽に教員とつながりをもてるといった新たなコミュニケーションツールの使い道が出てきたと考える。医療情報技師教育において専門知識と技術を持たない学生自身がいかに効率よくそれを吸収できるかは重要である。従来では対面で学生の反応を確認しながら授業を実施してきたが、オンライン授業ではそれは難しい。新たなコミュニケーションツールを利用して、医療情報技師育成において価値ある教育を学生に提供し続けていく。