Japan Association for Medical Informatics

[3-P-2-05] 臨床試験データセンターにおけるrobotic process automation可能なプロセスの抽出とデータマネージャへの教育

*Naoki Nishimoto1, Kazumi Yoshinaga1, Eiko Saitoh1, Kaori Kitayama1, Aki Moriki1, Yoichi M Ito1 (1.北海道大学病院 医療・ヘルスサイエンス研究開発機構 データサイエンスセンター)

Robotic process automation, Data management for clinical trials, Python

[背景]大学病院等で臨床試験を支援するAROデータセンターでは様々な診療科からの支援依頼を受けるため、定型化しづらい業務が多く、データマネジメント業務の効率化が課題となっている。北海道大学病院データサイエンスセンターでは、EDC(electronic data capture)が導入されているものの、EDC構築に関してはデータマネージャによる手作業が多く、業務効率化への高い壁となっている。
[目的]本発表では、データマネージャが行っているデータマネジメントプロセスを対象に、自動化可能な項目をリスト化してデータマネジメント業務効率化の促進を目的として、プログラミング言語Pythonと統計解析パッケージを用いた情報教育を行い、手作業で行っていたプロセスの自動化を行った。
[方法] Pythonと解析パッケージを利用した作業の自動化を行うに当たり、臨床試験データマネージャに対する情報教育を2022年6月までに週1回1時間程度で30回実施した。導入教育以降は、手作業で行っている項目をMicrosoft Teams内で随時リストアップし、自動化の可能性を議論した。また、各回では実際にPythonコードを記述して実行する、ハンズオン形式とした。
[結果と考察]自動化する作業を特定したあとに、当該作業に特化したサンプルプログラムを作成し、実行結果を確認した。30回目までの講習会で、データベース定義書のクリーンアッププログラムとEDC仕様書目次からの各Excelシート名セットアップ時の自動化プログラム、有害事象・併用薬の継続および重複期間を確認できるグラフなどを作成した。データマネージャの作業のうち、2プロセスを自動化し、3プロセスは半自動化にとどまった。今後は、業務のさらなる効率化を目指して経験年数に応じた教育を進めたい。