Japan Association for Medical Informatics

[3-P-4-04] ブロックチェーン技術を用いた単一医療機関向け診療記録システムにおけるチェーンファイルサイズ肥大化に対する解決法の検討

*Riku Oomika1, Yuichiro Gomi2 (1.日本大学理工学部応用情報工学科, 2.日本大学理工学部)

Block chain, medical records, file bloat

ビックデータ技術や人工知能の発展により,医療機関が保有する膨大な患者の医療データを適切な診断や新治療法発明などに役立てることが期待されている.膨大な医療データを管理し共有するためには,高いセキュリティ水準や,複雑なアクセス制御が可能なシステムが求められる.分散型台帳システムのブロックチェーンを用いることで,そのようなシステムを担保でき,導入と運用のコストと手間を軽減させることができる.  提案されているブロックチェーンを用いた診療記録システムの多くは複数医療機関で利用する方式であり,医療機関同士で事前に合意形成する必要があるため,利用する対象を全国と設定すると難しい.ただし,地域や関連病院および単一医療機関といった形で対象の範囲を狭めると導入も簡単となる.  先行研究では,記録したデータの整合性をとるためにテンポラリファイルから書き込まれた内容を表示する方法と,チェーンを記録するファイルから表示する方法で,システムへの記録と表示にかかった時間を計測し検証を行った.その結果,1年以上のデータを扱う際の全体的な処理時間は,テンポラリファイルから書き込まれた内容を表示する方法で短縮できることが明らかになった.しかし実運用時に想定される膨大なサイズのデータを扱おうとすると読み書き処理に時間がかかり,ブログシステム全体の動作が遅くなっていくことがわかった. 本研究では,チェーンのファイルサイズ肥大化の解決方法を検討し,事前にメニュー画面で書き込みたいフォルダを選択し,テンポラリファイルやチェーンファイルをフォルダごとに分割して保存することで,ファイルサイズが肥大化しづらいシステムを構築した.また機能テストを行い問題なく動作することを確認した.