Japan Association for Medical Informatics

[3-P-5-01] FHIRサーバFRUCtoSの開発とそれを活用した次世代EHRプラットフォームPLATの構築

*Kazuhiko Ohe1,2,3 (1.健康医療情報標準流通基盤技術研究組合, 2.NeXEHRSコンソーシアム, 3.東京大学大学院医学系研究科)

Electronic Health Record, FHIR server, Healthcare Information Platform

HL7FHIRは、医療情報を相互に関係の深い情報要素のまとまりごとをFHIRリソースとして定義し、その組み合わせと相互関係で必要な医療情報を記述する考え方といえる。そのためFHIRリソースとその関係情報のリソースをそのままの形式でデータベースサーバに蓄積したFHIRサーバ単独でほとんどの医療情報を理論的には格納することができる。このようなコンセプトを有するFHIRサーバをスクラッチから開発して自由にカスタマイズ可能なソフトウエア資源を保有することは、今後の医療情報システムの研究開発にとって重要である。 我々はこうした考えから独自のFHIRサーバソフトウエアを開発し、評価版をOpenFRUCtoSと名付けて提供してきた。このサーバソフトウエアは、Java12以降で開発され、データベースエンジンにpostgresを採用しており、dockerコンテナとして配布されているため、ホストOSに依存せずFHIRサーバを稼働させることができる。本発表ではこのソフトウエアの詳細と今後の無償提供方針について報告する。 また、このサーバソフトウエアFRUCtoSを適用した次世代EHRプラットフォームPLATを設計し、実装を行なった。次世代EHRプラットフォームの基本コンセプトのベースには日本医療情報学会NeXEHRS課題研究会とNeXEHRSコンソーシアムで検討してきた次世代健康医療情報共通プラットフォーム基本指針を適用し、さらに患者情報を1病院1論理FHIRサーバと患者管理FHIRサーバとでダブル管理する手法でこれを実現している。これにより、医療機関間で診療情報をやりとりすることなく、どの医療機関も患者許諾のもとでこの2つの論理サーバにアクセスするだけでその患者のすべての診療情報を参照できる上、患者も患者管理FHIRサーバだけにアクセスして自分の健康情報を追記できる環境が実現することを示した。