Japan Association for Medical Informatics

[3-P-5-04] 電子カルテ閲覧制限機能の改修例

*Kunihito Takahashi1, Hitoshi Wakisaka1 (1.防衛医科大学校)

Electronic medical record (EMR), Restrictions on access, Improvement of EMR system

【背景と目的】当院電子カルテ(IBM CIS)の改修前のカルテ閲覧制限機能(IBM CIS用語「VIP機能」)は、任意の患者カルテに対して閲覧許可された者を個別に紐づけることでのみ発動する仕組みである。また、閲覧許可者以外の者は制限対象カルテに全くアクセスできない。このような仕組みから、必要な職員を漏れなく閲覧許可者に登録することが困難であり、例えば医事職員が未登録で会計が進まないなどの実害があった。また、複数の患者カルテを一括して制限対象に指定できず、COVID-19国内流行初期の該当入院患者らといった任意グループ患者の指定作業に難儀した。これら難点を改善すべく、VIP機能の改修に取りかかった。
【改修内容と運用】閲覧許可未登録の者に対して、対象カルテ選択時に警告画面にて電子カルテログインパスワード(PW)を再入力することで閲覧可能に改修された。更に、カルテ毎にアクセスコードを設定可能とし、全ユーザーに(仮に閲覧許可者であっても)アクセスコードを要求する制限機能が新たに追加された。複数患者カルテを閲覧制限対象に一括指定するツールを開発した。他方、医師・看護師等の医療職ではない職員(学生を含む)が、業務上関係のない職員患者のカルテを閲覧する事案が発生していたことで、対処要請があり、職員患者カルテ閲覧制限の改修VIP機能による運用を開始した。
【結果】改修VIP機能は本年5月下旬に実装された。PW再入力方式によって、診療・医事業務遂行不可という事態は回避された。また、意図的閲覧であることを追跡可能となった。対象カルテ一括指定ツールは正常に動作した。本改修に伴い、BSL学生がカルテ参照の他に書き込みも可能という不具合が発生し、電子カルテログイン・操作権限上の改修(6月下旬予定)が必要となった。大会では、上記不具合の件を含めて改修後の運用状況を報告する。